全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は現地時間6月16日、同日開幕したパリ航空ショーで、ボーイングに787-9型機を23機、737-8(737 MAX 8)を最大22機正式発注したと発表した。今年2月25日にANAHDが追加導入を発表したもので、エアバス機やエンブラエル機を合わせると一度の発注機数としては過去最多の最大77機にのぼり、発注総額はカタログ価格換算で約2兆円を超える規模となった。
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パリ航空ショーで787-9と737-8をボーイングに正式発注したANAホールディングスの芝田浩二社長(中央右)ら=25年6月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
787-9は、全機確定発注で2028年度から2031年度にかけて受領予定。737-8(737 MAX 8)は確定発注18機、オプション4機の最大22機を2029年度から2033年度にかけて導入する。今回の契約には、2月の発表以前に契約していたオプションを確定発注に切り替えたものも含まれ、787-9は5機、737-8は10機を確定発注に切り替えた。
787-9のエンジンは、すべてGE製GEnxを選定。国際線の成長領域と位置づけるアジア-北米路線の強化や、成田空港の再拡張を見据えた追加発注で、国際線の供給量を増やす。2030年度の座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は、2023年度比で約1.5倍になる見通し。受領最終年度は787就航から20年を迎える2031年度を計画しているが、今回の発注分は機材更新ではなく、機数は純増になる見通し。
各機種のカタログ価格は、発表時の円換算で787-9が18機で約1兆420億円、737-8が12機で約2860億円。

パリ航空ショーで787-9と737-8の契約書をボーイングと交わしたANAホールディングスの芝田浩二社長(右)=25年6月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで787-9と737-8の契約書をボーイングと交わすANAホールディングスの芝田浩二社長(右)=25年6月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで787-9と737-8の契約書をボーイングと交わすANAホールディングスの芝田浩二社長(右)=25年6月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで787-9と737-8をボーイングに正式発注したANAホールディングスの芝田浩二社長ら=25年6月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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