エアライン, ボーイング, 機体 — 2020年1月30日 20:53 JST

ANA、777Xを21年3月末までに初受領 従来計画を維持

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 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、発注済みの次世代大型機ボーイング777Xの初号機を2021年3月末までに受領する。2014年7月に確定発注したもので、長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として導入する。

777-9Xのイメージイラスト(ANAホールディングス提供)

 777Xは777の後継機で、メーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成。ANAHDは、777-300ERよりも大型となる777-9を20機確定発注している。

 ボーイングは2013年11月に777Xをローンチ(開発開始決定)し、この時点で航空会社への納入開始時期を今年(2020年)としていた。しかし、GEアビエーション製の新型エンジン「GE9X」の開発遅延などの影響で、2018年末から2019年初めに予定していた初飛行が、今年1月25日にずれ込んだ。このため、現在の納入開始時期は2021年としており、計画より1年ほど遅れている。

 ANAHDの福澤一郎グループ経理・財務室長兼財務企画・IR部長は1月30日、都内で開いた2019年4-12月期(20年3月期第3四半期)決算会見で、777Xについて「初号機を2020年度末までに受領する計画を進めている」と説明。同社によると、従来の受領時期から変更はないとしている。

 また、墜落事故が相次いだボーイングの小型機737 MAXの導入計画については、「重大な関心を寄せているが、ボーイングからいま現在は情報提供がない。各国の当局がどう(安全性を)承認していくかを見定めていきたい」(福澤氏)と語った。

 ANAHDは2019年1月29日に、737 MAX 8を最大30機導入すると発表。このうち20機が確定発注、10機がオプション、受領開始は2021年度を予定しているが、現時点では正式契約に至っていない。

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