ボーイングは、ワシントン州エバレットの737 MAX新生産ライン「North Line(ノースライン)」を正式に稼働させた。737が長年の製造拠点であるレントン工場以外で製造されるのは50年以上ぶり。初のエバレット製737 MAXは、現地時間7月6日から生産が始まった。

ボーイングが正式稼働させたエバレット工場の737 MAX新生産ライン「North Line」(同社提供)
—記事の概要—
・737増産へエバレット新ライン
・国内3社が737 MAX導入
737増産へエバレット新ライン
ノースラインは、737プログラムの生産能力と安定性を高めるための新ライン。737 MAXの受注残は4000機を超えており、現在の受注だけで生産は2030年代まで続くとしている。ボーイングは新ラインにより、顧客への納入を早め、追加受注の機会拡大にもつなげる。

ボーイングが正式稼働させたエバレット工場の737 MAX新生産ライン「North Line」(同社提供)
同ラインは、レントン工場の737製造プロセスを基本的に踏襲するよう設計した。複数の生産ラインを持つことで、単一ラインに影響が出た場合のリスクを抑える。標準的な10日間の生産フローを超える作業が必要な機体向けのスペースも確保し、より複雑な客室仕様にも対応しやすくする。
ボーイングは今後、低率初期生産を含む規制・コンプライアンス対応を完了した後、ノースラインで737プログラム全体の増産を支える。レントン工場を今後数カ月で月産47機相当の「Rate 47」で安定させた後、ノースラインが月産52機相当の「Rate 52」以上に必要な追加生産を担う。
エバレット工場は、ボーイングが1966年に建設に着手した大型機の生産拠点。当初は「ジャンボ」の愛称で親しまれた747の工場として整備され、その後777向けにも拡張された。737は1967年に初飛行し、当初はシアトル・デリバリーセンター近くのプラント2で製造。1970年にレントン工場へ移り、同工場で生産されてきた。

ボーイングが正式稼働させたエバレット工場の737 MAX新生産ライン「North Line」(同社提供)

ボーイングが正式稼働させたエバレット工場の737 MAX新生産ラインで働く従業員「North Line」(同社提供)
ノースラインのチームは、新規採用・訓練を受けた従業員と、レントン、エバレット、モーゼスレイクからの既存従業員で構成する。ライン構築には、エバレット拠点や他機種プログラムの従業員が支援し、ウィチタ、オーバーン、フレデリクソンなどのチームも737生産に関わる。
正式稼働を祝う式典が7月10日に開かれ、レントンとエバレットの両拠点を結ぶリレーとリボンカットが行われた。40人の従業員や地域関係者が、レントン工場からエバレット工場までバトンをつないだ。
ボーイングは2023年にノースラインを発表。エバレット工場の既存スペースを改修し、同社のベストセラー単通路機ファミリーである737の需要に対応する。初号機の胴体は6月下旬、「Final System Installation tool」に搭載された。
国内3社が737 MAX導入
国内の航空会社では、スカイマーク(SKY/BC、9204)、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)、日本航空(JAL/JL、9201)が737 MAXを発注。スカイマークは737-8(737 MAX 8)を13機、737-10(737 MAX 10)を7機の計20機導入する計画で、737-8を5月28日に就航させた。ANAとJALは737-8のみ発注している。

シアトルのボーイング・フィールドからハワイとグアムを経由し羽田空港へ着陸した日本初の737 MAXとなったスカイマークの737-8 JA738A(手前)と既存の737-800。カラーリングやウィングレット、エンジンカウルなど外観が異なる=26年5月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
また、スカイマークの737-8は、2号機(登録記号JA738B)が羽田空港へ7月19日に到着する見通し。737-8の座席数は737-800と同じ1クラス177席で、737-10は1クラス207席を計画している。
ANAの受領は9月以降、JALは2027年度から導入する見通し。
正式稼働したノースラインは、737 MAXの全モデルの生産に対応。当面は737-8、737-9(737 MAX 9)、型式証明の取得を待つ737-10の製造に注力する。
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