エアライン, 官公庁 — 2024年1月19日 23:00 JST

滑走路誤進入防止、管制官・パイロット意見交換1/30初会合 レーダー監視要員は7空港配置

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 国土交通省航空局(JCAB)は1月19日、羽田空港で2日に発生した海上保安庁機と日本航空(JAL/JL、9201)機の衝突事故を受け、6日から羽田で実施している滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員の配置を、成田など主要空港でも始めたことを明らかにした。また、羽田空港で30日に管制官とパイロットが意見交換する会議を開く。

海保機MA722が撤去された羽田C滑走路のC5付近=24年1月6日15時39分 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 監視要員の配置は、9日に発表した「航空の安全・安心確保に向けた緊急対策」で順次実施予定としていたもの。レーダーが設置されている成田と中部、伊丹、関西、福岡、那覇の6空港で17日から実施しており、羽田を合わせると7空港に配置した。

羽田空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 緊急対策では、主要8空港で滑走路進入手前の停止位置標識を高輝度塗色に順次変更しており、羽田では事故が起きたC滑走路(RWY16L/34R)は6日、D滑走路(05/23)は11日に実施し、A滑走路(16R/34L)とB滑走路(04/22)は19日に完了予定。残り7空港は10日に成田、11日に関西、13日に伊丹と中部が完了した。那覇は21日、福岡は25日に完了予定で、新千歳は22日から作業に入る。

 また、滑走路周辺の走行に関する要注意事項を航空事業者などに周知徹底する取り組みを、羽田では29日から31日のいずれかで実施予定。新千歳・成田・中部・伊丹・関西・福岡・那覇の7空港も順次実施を予定している。

 関係者のコミュニケーション強化として、管制官とパイロットが交信に関する意見交換を目的とした緊急会議を、主要8空港で開催予定。羽田では30日に開かれる予定で、残る7空港も日程調整を進めている。

 国交省では19日、滑走路上での航空機の衝突防止策を検討する有識者会議「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」(座長:小松原明哲・早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科教授)の初会合が開かれた。今後は委員会を毎月1-2回開催し、今夏に中間とりまとめを公表する。

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