官公庁, 空港 — 2024年1月19日 15:31 JST

国交省、滑走路誤進入対策で初会合 羽田衝突事故で検討委

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 国土交通省は1月19日、滑走路上での航空機の衝突防止策を検討する「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」の初会合を開いた。今月2日に羽田で発生した海上保安庁機と日本航空(JAL/JL、9201)機の衝突事故を踏まえたもので、有識者会議で安全・安心対策をハード・ソフト両面から検討し、今夏をめどに中間とりまとめを公表する見通し。

国交省で開かれた羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の初会合であいさつする小松原明哲座長=24年1月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 委員会では検討の視点として、管制側と航空機側の運用に潜在するリスク、リスク軽減のための取り組み、リスク軽減のための新たな取り組みが別のリスクを生じさせないかを議論。主な論点の案として、パイロットと管制官に対する注意喚起システムを強化する必要性や、パイロットと管制官の交信を見直す必要性などを挙げている。

 委員会の座長は、早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科の小松原明哲教授が務める。有識者は五十音順に、自動車技術総合機構の青木義郎上席研究員、東京大学先端科学技術研究センターの伊藤恵理教授、航空評論家の小林宏之氏、航空保安研究センターの鈴木正則業務執行理事、東京都立大学システムデザイン研究科の武市昇教授、茨城大学理工学研究科の平田輝満教授、電子航法研究所航空交通管理領域の福島幸子領域長、慶應義塾大学理工学部の松尾亜紀子教授の8人。関係団体からは、JALや全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空会社19社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協)」と、公益社団法人・日本航空機操縦士協会(JAPA)が参加する。

 初会合の冒頭、斉藤鉄夫国交相は「ハードソフト両面で議論いただきたい」とあいさつし、空の安全に対する信頼回復につなげる。ヒューマンエラー防止に詳しい小松原座長は「それぞれ専門の立場から忌憚(きたん)のない意見をいただきたい」と出席した有識者に求めた。

 今後は委員会を毎月1-2回開催し、中間とりまとめを今夏に公表する。

国交省で開かれた羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の初会合であいさつする斉藤鉄夫国交相=24年1月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国交省で開かれた羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会の初会合であいさつする小松原明哲座長=24年1月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 事故は2日午後5時47分ごろ、海保機MA722(ボンバルディアDHC-8-Q300、登録記号JA722A)とJALのエアバスA350-900型機(札幌発羽田行きJL516便、JA13XJ)がC滑走路で衝突し炎上。海保機は乗員6人のうち機長を除く5人が亡くなった。

 JL516便は乗客367人(幼児8人含む)と乗員12人(パイロット3人、客室乗務員9人)の計379人が搭乗していたが、全員が3カ所の出口から緊急脱出した。左右4カ所ずつ計8カ所あるドアのうち、前方2カ所(L1・R1)、後方1カ所(L4)を使って脱出した。残り5カ所は炎が見えるなどの理由で、客室乗務員が使用不可と判断した。乗客のうち2人が打撲などのけが、体調不良により病院で診察を受けた乗客が13人となった。

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