エアバス, ボーイング, 機体, 解説・コラム — 2019年2月14日 15:32 JST

エアバス、A380生産中止か ロイター報道

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 エアバスの総2階建て大型機A380型機が、生産中止を間もなく決定し、公表する可能性がある。ロイター通信が2月14日までに伝えた。

*正式発表はこちら

生産中止を間もなく決定し公表する可能性があるA380=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
エミレーツとの交渉結論至らず
受注残79機
747-8も苦戦

エミレーツとの交渉結論至らず

エミレーツ航空のA380=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 ロイター通信によると、A380の最大顧客であるエミレーツ航空(UAE/EK)と交渉したものの、エンジンに関する交渉により結論に至らなかったという。業界関係者とアナリストが明らかにしたもので、代替案の検討を余儀なくされたことで、生産中止の引き金となった、とみている。

 また、エアバスはエミレーツ航空に対し、発注の一部をA350やA330など、A380よりも小型の双発機に切り替えることを望んでいる、とも報じている。

 エアバスの日本法人、エアバス・ジャパンはAviation Wireの取材に対し、「現段階では何も申し上げることはない」と応じた。

受注残79機

 A380は、2005年4月27日に初飛行。エンジンは英ロールス・ロイス製トレント900と、米エンジン・アライアンス製GP7200のうち、いずれかを選択できる。

 今年1月末時点でエミレーツなど16社から313機受注し、234機が引き渡し済み。受注残は79機となっている。受注のうち、エミレーツが全体の51.8%にあたる162機を発注している。1月に入り、カンタス航空(QFA/QF)が受領待ちとなっていた8機をキャンセルした。

 エアバスはA380の月産レートを公表していない。2018年は12機を引き渡した。このうちエミレーツには8機、シンガポール航空(SIA/SQ)に3機、カタール航空(QTR/QR)に1機納入している。

エアバスのハンブルク工場でお披露目されたANAのA380初号機=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 日本では、ANAホールディングス(ANAHD、9202)が3機発注済み。3月に初号機(登録記号JA381A)を受領し、傘下の全日本空輸(ANA/NH)が5月から成田-ホノルル線に投入する(関連記事)。

 2018年1月15日に、当時エアバスの民間航空機部門顧客担当COO(最高執行責任者)だったジョン・リーヒー氏は、A380の生産中止を示唆。エミレーツから受注できない場合、「プログラムを中止する以外に選択肢がないと思う」とオンラインで開いた会見で語っていた(関連記事)。

 同年2月11日に、エミレーツは20機確定。この時点では生産中止を免れた。

747-8も苦戦

苦戦が続く747-8(資料写真)=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 一方、競合のボーイングも、A380と同じくエンジンが4基ある「4発機」は苦戦している。2016年7月には、「ジャンボ」の愛称で親しまれている747の最新型747-8について、需要が見込めない場合は生産中止を検討すると表明している。

 747-8は旅客型の747-8「インターコンチネンタル」と貨物型の747-8Fがある。エンジンは米GE製新型エンジンのGEnx-2Bを4基搭載する。

 1月末時点で、747-8は154機受注し、130機が引き渡し済み。受注残は24機となっている。このうち旅客型の747-8は47機受注し完納。747-8Fは107機受注し、83機引き渡している。

 747-8の月産レートは0.5機。2018年の引き渡しは6機で、いずれも米UPS航空(UPS/5X)に747-8Fを納入した。

 A380や747-8といったエンジンが4発の超大型機は、燃費性能や運航コストが優れたエンジンを2基搭載する双発の大型機により、苦戦が続きそうだ。

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Airbus
エアバス・ジャパン

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