ボーイングは、現地時間11月13日に開幕するドバイ航空ショー2025に、開発中の大型機777XやF-15などの軍用機、最新のデジタル技術などを出展する。777Xの飛行試験機を航空ショーに出展するのは、2023年以降では初めて。2024年のファンボロー航空ショー(偶数年開催)と今年のパリ航空ショー(奇数年)は出展を見送っており、今回のドバイは久々の出展となる。

ファンボロー航空ショーで飛行展示を披露する777-9=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回の展示では、777-9の飛行・地上展示に加え、777Xの実物大キャビン断面やF-15EXのシミュレーター、環境負荷評価ツール「Cascade」などを設置する。展示機は、民間機が777-300ER、737 MAX、737 BBJ、737 BCF、防衛分野はがF-15、CH-47、KC-46、AH-64、C-17など。米空軍のB-52やP-8も飛行展示に参加する。
顧客機として、エミレーツ航空(UAE/EK)の777-300ERやフライドバイ(FDB/FZ)の737-8、ロイヤルジェットの737 BBJなどが出展される。米国やUAE軍からも複数のボーイング製機体の展示を予定している。
カンファレンスでは、サステナビリティやMRO(整備・修理・分解点検)、次世代エアモビリティ(AAM)などのテーマで、ボーイング幹部が登壇する。商用部門のダレン・ハルスト副社長やサステナビリティ担当のライアン・フォーセット副社長らが講演を行う。

パリ航空ショーで飛行展示を披露するボーイング777X=23年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで飛行展示を終えて着陸した777-9=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
期間中は777Xの製品説明会や防衛事業に関するメディアブリーフィングも実施され、17日と18日には777-9、19日にはKC-46やC-17などの機体見学も報道関係者向けに開放される。参加希望者は14日までに事前登録が必要となっている。
同社はまた、展示会の公式会議「Aerospace 2050」と「Aviation Mobility」の戦略スポンサーを務め、持続可能な航空や次世代移動の分野での取り組みも紹介する。中東ではリヤド、ドバイ、アブダビ、ドーハ、クウェートに拠点を構えている。

パリ航空ショーで公開された777-9飛行試験機のコックピット=23年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで公開された777-9飛行試験機の客室に設けられたA350と広さを比較する展示=23年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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