エアライン, ボーイング, 機体 — 2025年5月11日 14:57 JST

777X、試験4号機がフライト 唯一の客室試験機

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 ボーイングは、開発中の次世代大型機777Xの飛行試験4号機(登録記号N779XZ、WH004)による飛行試験を実施した。4機ある飛行試験機がすべて稼働状態となるのは2021年末以来となった。

試験飛行に向かうボーイング777Xの飛行試験4号機(同社提供)

 4号機は現地時間5月7日に、米ワシントン州シアトル近郊のエバレット工場に隣接するペインフィールド空港を離陸して飛行試験を実施。4号機は旅客機としての内装を施した唯一の試験機で、環境制御システムや騒音測定など、キャビン関連の試験に用いられる。

 ボーイングは、ほかの3機による初期段階の試験を優先するため、4号機を一時的に保管していた。数カ月に及ぶ整備や構成変更作業を経て、再び飛行試験に投入された。

 現在はFAA(米国連邦航空局)の型式証明取得に向けた飛行試験を北米各地やカリブ海などで実施しており、ピュージェット・サウンド周辺に加え、モンタナ、ニューメキシコ、オクラホマ、テキサス、ワシントン東部、キュラソーなどで活動。これまでに1400回超の試験飛行と、約4000時間の飛行実績を積み重ねている。

 777の後継機となる777Xは、メーカー標準座席数が2クラス395席の777-8と426席の777-9の旅客型2機種、最大積載量(ペイロード)118トンの貨物型777-8Fの計3機種で構成。3月31日時点の受注残は521機で、初納入は2026年を予定している。日本では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が777-9を18機、777-8Fを2機発注済み。

 開発は777-9から進められており、航続距離は7295海里(約1万3510キロメートル)。現行の777-300ERと比べて燃料消費量とCO2(二酸化炭素)排出量を20%削減できるとしている。エンジンはGE製GE9Xを採用している。

ボーイング777Xの飛行試験4号機の航跡(Flightradar24から。実際の位置とは誤差がある場合があります)

試験飛行に向かうボーイング777Xの飛行試験4号機(同社の動画から)

試験飛行に向かうボーイング777Xの飛行試験4号機(同社の動画から)

試験飛行に向かうボーイング777Xの飛行試験4号機(同社の動画から)

試験飛行に向かうボーイング777Xの飛行試験4号機(同社の動画から)

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