エアバス・ヘリコプターズは現地時間12月16日、対水上戦(ASuW)・対潜水艦戦(ASW)ヘリコプターNH90「シータイガー」の初号機をドイツ海軍へ引き渡したと発表した。合弁会社NHインダストリーズを通じて引き渡したもので、ノルドホルツ基地で式典が開かれた。2030年までに31機の納入が計画されている。

ドイツ海軍のNH90「シータイガー」(エアバス提供)
シータイガーは、NH90 NFH(NATOフリゲートヘリコプター)の発展型。1981年に導入されたシーリンクス Mk88Aの後継機として導入される。ドイツ海軍は2019年から2023年にNH90 NFH「シーライオン」18機を受領しており、海上の捜索救難任務や702型補給艦への搭載運用が行われている。
ドイツ海軍の要求に応じ、シータイガーには新たに光学照準装置や電子支援装置(ESM)を搭載するほか、ディッピングソナー、ソノブイ、魚雷、ミサイルなどの装備を有する。任務は偵察や輸送に加え、水上・水中の目標への攻撃も含まれる。これらのシステムは、地中海・北海での試験で検証・認証された。
海軍向けのNH90 NFHはこれまでに6カ国へ135機が納入されており、累計9万時間以上の飛行実績を持つ。NH90全体では世界で530機以上が運用されており、飛行時間は50万時間に近づいている。
NHインダストリーズは、NH90の設計・製造・支援を担う欧州最大の回転翼機合弁会社。出資比率はエアバス・ヘリコプターズが62.5%、レオナルドが32%、GKNフォッカーが5.5%となっている。

ドイツ海軍のNH90「シータイガー」(エアバス提供)

ドイツ海軍のNH90「シータイガー」(エアバス提供)
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