エアライン, ボーイング, 機体 — 2025年7月22日 17:29 JST

777-8F貨物機、エバレットで製造開始 ANAも発注

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 ボーイングは現地時間7月22日、次世代大型機777Xの貨物型777-8Fの製造を開始したことを明らかにした。ワシントン州シアトル近郊のエバレット工場にある「777X複合材スパー製造施設」で、主翼のスパー(主桁)に最初の穴を開ける作業が21日に行われ、量産に向けた本格的な製造が始まった。初号機の引き渡しは2028年を予定している。

777-8Fのスパーに最初の穴を開け作業を始めるボーイングの従業員(同社提供)

 777-8Fの主翼には前後2本のスパーがあり、長さは108フィート(約33メートル)、一対の重量は2500ポンド(1134キログラム)。1枚の主翼に必要なスパーの製造には392マイル(631キロメートル)分のカーボンファイバーテープが使われる。

 スパーや外板、ストリンガーは、近隣にある「複合材主翼センター(CWC: Composite Wing Center)」で製造。完成したスパーは、CWCで製造する部品と共に主翼として組み立てられる。

 777-8Fは、2機種ある777Xの旅客型のうち777-8を基にした大型貨物機で、航続距離4410海里(8167キロ)、胴体長70.9メートル、最大積載量(ペイロード)は118トン。747-400Fとほぼ同等の積載能力を持ち、燃費や排出ガス、運航コストを30%改善したもので、2022年1月31日に開発を発表した。

 ボーイングは、これまでに777-8Fを59機受注。日本では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が2機発注済みで、ANAHDは旅客型の777-9を20機発注後、2機を777-8Fに変更した。

エバレット工場の複合材スパー製造施設で777-8Fの製造開始を祝うボーイングの従業員(同社提供)

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