エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2026年6月18日 06:10 JST

カンタス航空A350-1000ULR、シドニー-ロンドンが1路線目 27年10月就航

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 カンタス航空(QFA/QF)は現地時間6月17日、超長距離国際線計画「プロジェクト・サンライズ」の1路線目として、エアバスA350-1000ULR(Ultra Long Range)によるシドニー-ロンドン直行便を2027年10月に開設すると発表した。豪州東海岸からロンドンまでを初めて無着陸で結ぶ直行便となり、現在の1回経由便と比べて移動時間を最大4時間短縮する。航空券の販売開始は2月を予定している。

カンタス航空のA350-1000ULR(エアバス提供)

 新路線は、現在のパース-ロンドン線、シドニー-シンガポール-ロンドン線と並行して運航する。2027年後半からはデイリー運航を計画しており、豪州各地から英国や欧州へ向かう利用者の選択肢を広げる。

—記事の概要—
追加燃料タンクで最大22時間
ホテルのような4クラス238席
次路線はニューヨーク
豪東海岸からロンドン無着陸

追加燃料タンクで最大22時間

 A350-1000ULRは、長胴型のA350-1000に超長距離飛行へ対応する改修を施した派生型。機体構造にRCT(後部センタータンク)を組み込み、燃料搭載量を2万リットル増やした。1万6000キロ超、最大22時間の無着陸飛行に対応する。

カンタス航空のA350-1000ULR(同社資料から)

 エンジンはロールス・ロイス製「Trent XWB(トレントXWB)」のうち、A350-1000と同じTrent XWB-97を採用。カンタスはプロジェクト・サンライズ向けにA350-1000ULRを12機発注しており、2027年4月に初受領を予定。同年10月の就航に向けて準備を進める。

 2機目は6月に初飛行し、8週間の試験・認証プログラムに入っている。

ホテルのような4クラス238席

 カンタス仕様のA350-1000ULRは、ゆとりを持たせた4クラス238席。ファーストスイート6席、ビジネススイート52席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー140席で、ファーストスイートとビジネススイートは個室タイプを採用する。エコノミーのシートピッチは33インチとなる。

カンタス航空のA350-1000のファースト(同社提供)

カンタス航空のA350-1000のビジネス(同社提供)

 長時間飛行中に乗客がストレッチできる「ウェルビーイング・ゾーン」も、プレミアムエコノミーとエコノミーの間に設ける。カンタスは、時差ぼけの軽減などを意識した客室としており、ハドソンCEOは、機体は超長距離旅行に合わせて一から設計され、客室も科学的知見を取り入れていると説明している。

 カンタスはA350-1000ULRを12機発注しているほか、長距離路線向けに通常のA350-1000も12機発注している。

次路線はニューヨーク

 プロジェクト・サンライズの次路線は、シドニー-ニューヨークに決まっている。就航時期は2027年に発表する。

 カンタスが外部調査会社に委託して今年5月に実施した調査では、超長距離直行便を予約したい意向は、2月の58%から70%へ上昇した。プレミアム旅客では80%に達し、同じ期間で12ポイント上昇した。

 同社は2018年以降、パース-ロンドン、ローマ、パリ、メルボルン-ダラス、オークランド-ニューヨークなどの超長距離直行便を運航している。これらの路線には累計170万人超が搭乗し、同社の国際線ネットワークで顧客満足度が最も高い路線群だという。

 カンタスは機体受領に向け、シドニーにある豪州初のA350シミュレーターでパイロット訓練を開始した。英国ではブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)、香港ではキャセイパシフィック航空(CPA/CX)でも、一部パイロットが訓練する。12機目のA350-1000ULRが到着するまでに、プロジェクト・サンライズ機材を運航するパイロット360人超と、客室乗務員1200人を訓練する計画。整備士もシドニーで座学訓練を始めており、客室乗務員の訓練も近く開始する。

 機体の引き渡しや航空券の販売、就航は、規制当局の承認と機体認証を前提としている。

豪東海岸からロンドン無着陸

 プロジェクト・サンライズは、カンタスが2017年に立ち上げた超長距離直行便計画。航空機メーカーに長距離機の航続距離拡大を求め、豪州東海岸とロンドン、ニューヨークをノンストップで結ぶことを目指してきた。

初飛行するA350-1000ULR初号機(エアバス提供)

 カンタスは1947年からシドニー-ロンドン線を運航している。当時のカンガルールートは、ダーウィン、シンガポール、カルカッタ、カラチ、カイロ、カステル・ベニート、ローマの7地点を経由し、英国まで4日かかっていた。

 カンタスのヴァネッサ・ハドソンCEOは、航空機の世代交代ごとに寄港地を減らしてきたとし、今回の直行便について「最後の1回」をなくすものだと位置づけている。

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