日本航空(JAL/JL、9201)は7月2日、カウンターのデザイン刷新など空港の利便性を高めた「スマートエアポート」の導入空港を拡大すると発表した。長崎や宮崎、青森など地方11空港に順次展開し、預け入れ手荷物の新システムも導入する。JALは羽田や伊丹などの国内基幹5空港に加え、中部と大分、熊本、鹿児島の地方4空港にもスマートエアポートを展開済み。新たに11空港が加わることで、導入空港は20空港に拡大する。

JALが11空港に導入する預け入れ手荷物の新システムの概要図(同社資料から)

JALが「スマートエアポート」で導入する自動チェックイン機(写真は羽田空港)=21年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
対象となる11空港は青森、仙台、小松、広島、出雲、松山、長崎、宮崎、奄美、宮古、新石垣の各空港で、7月3日から8月5日にかけて展開する。3日に長崎と宮崎、10日に青森と小松、15日に松山、18日に宮古と新石垣、25日に出雲、29日に仙台に導入後、8月5日に広島に展開する。奄美空港への展開は7月下旬を予定する。
11空港には、預け入れ手荷物を受領時に必要な引換証の発行機を新設。バーコードリーダーと計量器が一体となった新システムで、利用客が操作する自動チェックイン機から続く動線に設置する。自動チェックイン機で発行する手荷物タグを貼付後に、引換証の発行機に備えるバーコードリーダーに手荷物タグを読み込ませ、有人のカウンターで預ける。
チェックインカウンターも刷新する。各カウンターブースの上部にデジタルサイネージを設置し、手続き情報を分かりやすく表示。また、地上係員の手伝いを必要とする人向けの「スペシャル・アシスタンスカウンター」も導入する。
スマートエアポートの計画は、2019年7月に発表。東京五輪・パラリンピックを見据えたもので、羽田では発表翌月の8月から出発ロビーの改修が始まり、2020年12月25日に全面リニューアルした。2021年6月には新千歳、同年11月に伊丹と那覇にも導入。2022年3月に福岡へ導入し、国内の基幹5空港への展開を完了した。その後、2024年春からは地方4空港への導入も始めた。

チェックインから搭乗までのフロー図(JALの資料から)
「JAL SMART AIRPORT」展開予定スケジュール
7月3日:長崎・宮崎空港
7月10日:青森・小松空港
7月15日:松山空港
7月18日:宮古・新石垣空港
7月25日:出雲空港
7月29日:仙台空港
8月5日:広島空港
※奄美空港は7月下旬に展開予定
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