エアライン — 2023年9月11日 22:20 JST

JTA、女性の副操縦士2人誕生 同期入社で同時昇格、女性活躍の環境づくり目指す

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 日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)に、女性の副操縦士が2人同時期に誕生した。7月に発令を受けた中尾郁海副操縦士(24)と山本将子副操縦士(29)の同期入社の2人で、ボーイング737-800型機に乗務。両副操縦士とも機長昇格のほか、女性パイロットが活躍できる環境づくりも目指している。

7月からJTAの副操縦士として乗務する中尾さん(左)と山本さん(同社提供)

 中尾さんは1998年9月生まれで兵庫県出身。2021年3月に崇城大学工学部 宇宙航空システム工学科 操縦学専攻を卒業後、2022年1月にJTAへ入社した。同年7月に副操縦士への昇格訓練を開始し、737-800を操縦できる「限定変更」を今年3月10日に取得後、7月4日付で副操縦士となった。昇格後の初フライトは同月6日の那覇発石垣行きNU617便だった。

 山本さんは1993年10月生まれで大阪府出身。2017年3月に大阪市立大学を卒業後、2018年6月に国の航空大学校へ入学し、2021年3月に卒業した。JTA入社は中尾さんと同じ2022年1月で、同年7月に副操縦士への昇格訓練を開始。今年3月9日に737-800への限定変更を取得し、7月6日付で副操縦士となった。昇格後の初フライトは同月8日の那覇発福岡行きNU50便だった。

 両副操縦士とも、今後は機長昇格を目指すという。また航空業界では女性パイロットが少数であることから、さらなる増加を目指し、活躍できる環境づくりに尽力したいと考えている。

 JTAでは2011年に初めて女性パイロットが誕生し、2人目は11年後の2022年に誕生した。JTAのパイロットは7月末時点で訓練生を含め約160人で、このうち女性は中尾さんと山本さんを含め3人が在籍している。初の女性パイロットはすでに退職している。

 パイロットのほか、女性一等航空整備士や男性の先任客室乗務員も誕生するなど、現在は社員の活躍の場も多様化している。航空業界は性別による職種の固定概念が残っていることから、JTAは固定概念の払拭を目指したいとしている。

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