エアライン, ボーイング, 機体 — 2021年3月6日 21:19 JST

アメリカン航空の737MAX、エンジン不具合で緊急着陸

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 アメリカン航空(AAL/AA)がボーイング737 MAXで運航するマイアミ発ニューアーク行きAA2555便(737 MAX 8、登録記号N327SK)が現地時間3月5日、ニューヨーク近郊のニューアーク・リバティ国際空港に緊急着陸した。現地報道によると、機長が2基あるエンジンのうち1基を停止し、目的地のニューアークへ着陸した。乗客95人と乗員6人にけがはなかった。

アメリカン航空の737 MAX 8(同社提供)

737 MAX 8のLEAP-1Bエンジン=16年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXは2度の墜落事故を起こしたことから、FAA(米国連邦航空局)が米国内での飛行停止命令を2019年3月に出した。墜落原因となった失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」の改修が行われた後、2020年11月に命令を解除した。これに伴い、アメリカン航空は拠点のひとつであるマイアミ国際空港の発着便で12月29日から運航を再開した。

 737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。現地報道によると、右エンジンのエンジンオイル関連の数値に異常がみられたため、機長が右エンジンを停止したが、MCASの問題との関連はみられないと報じている。

 5日のAA2555便は、マイアミを午後0時33分(定刻同41分)に出発し、ニューアークには定刻より5分早い午後3時41分に到着した。同便は通常、同じ便名、同じ機体でニューアークを午後4時45分に出発してマイアミへ戻るが、5日は機材を737-800(N898NN)に変更の上、ニューアークを翌6日午前7時に出発して、午前10時10分にマイアミへ到着した。

 N327SKは2020年12月に引き渡された機体で、今年2月からマイアミ発着のタンパ線を皮切りにニューヨーク(ラガーディア)線などに投入されている。

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Federal Aviation Administration
Boeing
ボーイング・ジャパン

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