エアライン — 2019年3月7日 16:14 JST

JAL子会社の副操縦士、飲酒検査せず乗務 ジェイエア、アルコール検出なし

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 日本航空(JAL/JL、9201)は3月7日、グループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)の副操縦士が乗務前のアルコール検査を受けずに乗務したトラブルが5日に発生したと発表した。その後の検査で、副操縦士からアルコールは検出されなかった。

—記事の概要—
出発3時間後に検査
他業務で未実施気付かず
エア・ドゥは通信可能な感知器導入
頻発する飲酒トラブルで処分厳格化

出発3時間後に検査

副操縦士が飲酒検査せず乗務するトラブルが発生したジェイエア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アルコール検査を受けなかったのは30代の男性副操縦士で、ジェイエアが運航する定刻午後1時15分発の伊丹発隠岐行きJL2331便(エンブラエル170型機、登録記号JA214J)と、定刻午後2時45分発の隠岐発伊丹行きJL2332便で発生。副操縦士は隠岐発便に乗務中、会社で規定している乗務前のアルコール検査を受けずに乗務していたことが発覚した。

 午後3時ごろ、アルコール検査をする部署の担当者が、記録簿に検査結果の未記載を発見。出発から約3時間後の午後4時前に、異なるアルコール検知器を使用して2回検査した。副操縦士は、乗務24時間前までにアルコールを摂取していないと申告しており、アルコールは検出されなかった。

他業務で未実施気付かず

 JALによると、当日の副操縦士は隠岐線を含め4便に乗務予定だった。隠岐線の後は定刻午後6時発の伊丹発大分行きJL2367便と、定刻午後7時30分発の大分発伊丹行きJL2366便に乗務予定で、別の機長と乗務を予定していたという。異なる機長と乗務する場合、用意する書類が異なることから、副操縦士は出社後に通常より多い出発準備資料を用意する必要があったという。このため準備に意識をとられ、アルコール検査を失念したと説明している。

 また、午前9時30分から午後3時ごろまでは、アルコール検査に立ち会う専任の担当者を配置しておらず、検査者が他業務と並行して対応している。このことから、副操縦士のアルコール検査未実施に気がつかなかった。また、同乗機長は社内の聞き取り調査で、副操縦士からはアルコール臭はせず、異常は感じられなかったと説明している。

 副操縦士と同乗機長は5日から乗務を外れ、社内処分が決定するまで乗務を停止する。このほか、5日からはすべてのパイロットに出発前の相互確認を徹底するよう指示し、7日からは社内規定を改定し、相互確認を規定化した。

エア・ドゥは通信可能な感知器導入

 アルコール検査を受けずに乗務した事例は、1月14日にエア・ドゥ(ADO/HD)でも発生。札幌発中部行きHD130便(ボーイング737-700型機、JA08AN)に乗務した機長(42)と副操縦士(34)、訓練生(35)の男性3人がアルコール検知器を使用した、会社が定める乗務前の検査を受けずに乗務した。

 エア・ドゥは同月18日に、国土交通省へ再発防止策を報告。地方空港と羽田空港で通信可能なアルコール感知器を導入し、常時監視できる体制を構築している。

頻発する飲酒トラブルで処分厳格化

 JALでは2017年から今年にかけて、パイロットと客室乗務員による飲酒トラブルが頻発している。

 2018年10月28日に、男性副操縦士(当時)からロンドン・ヒースロー空港で乗務前に基準を超えるアルコール値が検出され、英国で身柄を拘束された。この副操縦士は英国で禁錮10カ月の判決が言い渡され、懲戒解雇処分となった。

 2017年12月2日には成田発シカゴ行きJL10便で、統括機長(59)が同乗する別の機長(53)にアルコール検査の身代わりをさせていた。発生から1年以上経過した今年1月9日に発覚し、2人を懲戒処分とした。

 JALグループの日本エアコミューター(JAC/JC)では、2018年11月28日に鹿児島発屋久島行きJC3741便に乗務予定だった機長が、アルコール検査で制限値を超えた。同便は機長交代の影響で1時間遅れて出発し、後続便にも影響が出た。

 このほか、客室乗務員(当時)による乗務中の飲酒が発覚するなど、トラブルがたびたび発生している。

 JALは、パイロットや客室乗務員に飲酒トラブルが相次いだことから、国交省に対し、事業改善命令と業務改善勧告に対する報告書を今年1月18日に提出。アルコールが微量でも検出された場合は、乗務を停止するとしている。このほか懲戒処分を引き上げ、これまでの「出勤停止からけん責」までを、「懲戒解雇から出勤停止」に厳格化している。

関連リンク
ジェイエア
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