MRJ, 企業, 機体 — 2017年10月8日 16:18 JST

神戸製鋼、アルミ製品など検査データ改ざん MRJは影響なし

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 神戸製鋼所(5406)は10月8日、同社のアルミ・銅事業部門で検査証明書のデータ改ざんがあったと発表した。三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」も同社製品を採用しているが、親会社の三菱重工業(7011)では問題がないことを確認したという。

神戸製鋼の検査データ改ざんの影響はないことが判明したMRJ=17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 神戸製鋼によると、検査証明書の改ざんが発覚した製品は、アルミ板やアルミ押出品、銅板条、銅管、アルミ鋳鍛造品。出荷期間が2016年9月1日から今年8月31日までのもので、アルミ製品が約1万9300トン、銅製品が約2200トン、アルミ鋳鍛造品が約1万9400個におよび、納入先は約200社あるという。

 MRJを製造する三菱重工によると、今回の神戸製鋼によるデータ改ざんについて、三菱航空機が社内調査を実施したところ、MRJについては問題がないことを確認したという。

 MRJは、メーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種で構成。エンジンはいずれも低燃費や低騒音を特長とする、米プラット・アンド・ホイットニー製のギヤード・ターボファン・エンジン(GTFエンジン)「PurePower PW1200G」を採用する。当初2013年だった納期は5度目の延期により、2020年半ばとなる見通しで、社内目標は2019年に照準を合わせている。今年6月に開かれたパリ航空ショーには、初めて実機(登録番号JA23MJ)を持ち込んだ。

 受注状況は、ローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を発注したANAのほか、32機を確定発注した日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機を受注。内訳は、確定受注が約半数の233機で、残りはキャンセル可能なオプション契約が170機、購入権契約が24機となっている。

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