MRJ, エアバス, エアライン, ボーイング, 企業, 機体 — 2015年6月2日 12:37 JST

ANA、沖縄にMRJ整備会社 ジャムコや三菱重工とMRO参入

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ANAホールディングス(9202)とジャムコ(7408)、三菱重工業(7011)、沖縄振興開発金融公庫、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、沖縄電力(9511)の8者は6月1日、沖縄県が那覇空港に建設する航空機の整備施設で、MRO(整備・修理・分解点検)を手掛ける新会社を設立することで基本合意した。

ジャムコや三菱重工などと沖縄にMROの新会社を設立するANA=13年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新会社の名前は「MRO Japan(MROジャパン)」。2017年度下期に事業を開始する。今後国土交通省から航空機整備の認可を取得し、今年9月にMROジャパンとして、伊丹空港で事業を開始する。那覇の施設が完成次第、拠点を那覇へ移す。那覇での事業開始までは、ANAHDが100%出資する。

 那覇で事業開始時の資本金は10億円で、出資比率はANAHDが45%、ジャムコが25%、三菱重工が20%で、残りを琉球・沖縄・沖縄海邦の各行と沖縄電力が2%ずつ出資する。

 MROジャパンでは、ボーイング767型機や737、エアバスA320型機やA321といった中・小型機をはじめ、三菱航空機のMRJやボンバルディアDHC-8-Q300(Q300)、DHC-8-Q400(Q400)、CRJなどリージョナルジェット機も整備。これまで伊丹で実施してきた機体のペイント作業も行う。また、機体整備時は重整備もできるようにする。

 顧客としては、全日本空輸(ANA/NH)などANAグループの航空会社だけではなく、LCCを含む国内外の航空会社を想定。立地を生かし、東南アジアの航空会社にも売り込む。ANAHDの片野坂真哉社長は、「沖縄の地の利を考えると、小型機が多くなるのでは」と述べ、A320や737といったLCCの主力機が主体になることを示唆した。

関連リンク
ANAホールディングス
全日本空輸
ジャムコ
三菱重工業
三菱航空機

ANAHD片野坂社長インタビュー
(下)「要望を見抜く観察力が大事」(15年4月20日)
(中)MRJ「製造中止まっぴらごめん」(15年4月18日)
(上)「データにとらわれず、世界を読む」(15年4月17日)

ジャムコ、シートのシェア10%目指す 777ギャレーは買い控え続く(15年5月18日)
三菱重工、MRJ量産で松坂市と工場立地協定(15年6月2日)
MRJ、4号機も翼胴結合 三菱航空機、試験機の進捗公表(15年5月14日)
「ハードル高いが希望満ちている」森本社長、MRJに自信(15年4月13日)
MRJ、飛行試験5号機はANAカラー(15年4月10日)
MRJ、9-10月に初飛行延期 森本社長「パリショーに大きな影響ない」(15年4月10日)