ボーイングは、開発中の次世代大型機777-9(777X)で離陸中止を想定したフルブレーキ試験を実施した。FAA(米国連邦航空局)の認証に向けた試験の一環で、最大離陸重量まで載せた機体を約190ノット(約時速352キロ)まで加速させた後、離陸中止時の停止条件を検証した。

フルブレーキ試験を実施した777Xの飛行試験機(ボーイング提供)
今回の試験は、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で実施。停止時はスラストリバーサー(逆噴射装置)を使わず、すべてブレーキで減速した。ボーイングによると、ブレーキは摩耗した状態を再現したものを使ったという。
ブレーキ温度は華氏2500度(摂氏1371度)を超えた。高温により、タイヤ内圧を逃がす安全機構「ヒューズプラグ」が設計通りに溶けた。
地上では緊急対応要員が待機したが、実際の緊急時を想定して5分間は機体に近づかず、その後に車輪とブレーキへ放水して冷却した。

フルブレーキ試験を実施する777Xの飛行試験機(ボーイング提供)
777Xは、メーカー標準座席数が2クラス395席の777-8と426席の777-9の旅客型2機種に加え、貨物型777-8Fの計3機種で構成。777-9から開発を進めている。FAAによる型式証明の取得が遅れており、2013年のローンチ時点で計画していた2020年から、少なくとも7年遅れることが確定しているが、今年2月には777-9向けのFFS(フルフライトシミュレーター)とFTD(飛行訓練装置)が、FAAとEASA(欧州航空安全庁)から訓練用シミュレーターとしての初期認定(initial qualification)を受けた。また、3月の時点でFAAがTIA(型式検査承認)の第4段階のうち、4Aの試験開始を承認している。
2月28日時点のキャンセルを含む総受注は703機、受注残は624機。日本では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が777-9を18機、777-8Fを2機発注済み。ANAHDの芝田浩二社長は今年1月、777-9についてボーイングと交渉を続けているとした上で、「(受領第1陣となる航空会社向けの納入遅延で)玉突きで遅れる覚悟はしている」とAviation Wireに述べていた。現在の予定では、2027年の受領を見込んでいる。

フルブレーキ試験を実施する777Xの飛行試験機(ボーイング提供)
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
777X
・777-8F貨物機の初号機、胴翼結合とシステム搭載進む ANAも発注(26年3月29日)
・777X、FAA認証試験の第4段階承認 ANAも発注(26年3月21日)
・777X、シミュレーターをFAA・EASAが初期認定(26年2月19日)
・777X、26年後半に型式証明取得へ 新型機NMAは「時期尚早」=ボーイング幹部(25年12月11日)
・777X、初納入2027年に ANAも発注、計画から7年遅延(25年10月29日)
・777-8F貨物機、エバレットで製造開始 ANAも発注(25年7月22日)
777X試験機の機内動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・【4K】Boeing 777X 試験機の機内【パリ航空ショー】
777X 写真特集
・777Xコックピットは大型画面並ぶ
・777X、急上昇・急旋回させダイナミックな飛行展示披露=ファンボロー航空ショー
