エアライン, 企業, 解説・コラム — 2026年3月27日 13:02 JST

東海道新幹線、窓2つ分の個室上級クラス 半個室は27年度

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 JR東海(東海旅客鉄道、9022)は3月26日、東海道新幹線に10月1日から導入する個室タイプ上級クラスのうち、2人席のイメージを公開した。半個室タイプも2027年度中に導入する。航空会社の国内線収益が、出張需要の減少や運航コストの増加で悪化する中、東海道新幹線は広いスペースを使った個室をはじめ、静粛性の高い個人空間を訴求し、国内長距離移動の需要取り込みを狙う。

東海道新幹線の個室上級クラス2人席(NTTのリリースから)

 個室上級クラスは、1人席と2人席を1編成に1部屋ずつ用意。2人席は窓2つ分の広いスペースを確保する。

 個室と半個室とも、AGC(5201)の5G対応透明ガラスアンテナを用いた専用Wi-Fi環境を提供。JR東海によると、鉄道車両では世界初の取り組み。また、NTTグループの特許技術「PSZ」を用いたスピーカーも採用し、国内の公共交通機関では初導入になるという。

 PSZは、NTTの特許技術「パーソナライズドサウンドゾーン」の略称。音を出す音波と、180度位相を反転させた逆位相の音波を同時に使い、オープンな空間でも特定の範囲に音を閉じ込める。周囲への音漏れを抑えつつ、必要な音だけを高音質で楽しめる技術で、個室上級クラスと半個室上級クラスではヘッドレスト部のスピーカーに導入する。

PSZのイメージ(NTTのリリースから)

 半個室上級クラスは、N700S系の一部10号車に6席導入。通路との間に出入り用の鍵付き扉を設けた大型バックシェルタイプの座席を採用し、レッグレスト付きのリクライニングシートや専用Wi-Fi環境、荷物スペースを用意する。シートを転換して対面利用も可能で、導入後の10号車は半個室6席とグリーン車指定席48席となる。

 また、営業施策の強化では、東海道新幹線の出張利用を促すとともに、MICE(会議・インセンティブ旅行・国際会議・展示会)を誘致するなど、ビジネス需要の獲得に向けた取り組みを進める。26日の発表によると、2026年度は「営業施策の強化」全体の設備投資額として190億円を計画している。

 航空各社の国内線は、コロナ後の出張需要の減少やドル建てコストの増加で事業環境が悪化している。全日本空輸(ANA/NH)は事業改革を急務と位置付け、日本航空(JAL/JL、9201)も2027年4月を視野に国内線サーチャージ導入の検討を始めた。個室や半個室を軸にした東海道新幹線の上級クラス拡充は、空の便と鉄道の競争を一段と強めそうだ。

東海道新幹線の個室上級クラス1人席(JR東海のリリースから)

東海道新幹線の半個室上級クラス(JR東海のリリースから)

関連リンク
JR東海

国内線サーチャージ
JAL、国内線サーチャージ検討 27年4月視野、FDAに続き2社目(26年3月3日)
スターフライヤー町田社長、国内線サーチャージ「十分検討していきたい」(26年3月16日)

ANA平澤新社長
ANA平澤新社長、国内線は「事業改革急務」新型機でコスト抑制(26年3月2日)

有識者会議
国交省、スカイマークなど中堅4社への出資規制廃止案 大手の関与拡大も(26年3月9日)
国内線は「赤字体質」出張減とドル建てコスト増で航空各社苦境、国交省有識者会議が初会合(25年5月31日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post
キーワード: