エンブラエルは、アラブ首長国連邦(UAE)の防衛関連機関タワズン評議会から、多用途輸送機C-390「ミレニアム」を最大20機受注したと発表した。UAE空軍・防空軍向けで、内訳は確定10機とオプション10機。C-390としては中東初の採用となり、海外受注では単一国からの発注として過去最大規模となる。

ブラジル空軍の空中給油・輸送機KC-390。UAEは輸送機型のC-390を発注した=24年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

アブダビで締結されたUAEのC-390発注契約(エンブラエル提供)
UAE空軍・防空軍は、UAEの運用環境での試験を含む技術・運用面の評価を経てC-390を選定した。導入後は、貨物・兵員輸送、空中投下、人道支援、医療後送、未舗装滑走路での運用などに使う。UAE国内の部隊に加え、同盟国や友好国との相互運用も想定する。
C-390のMRO(整備・修理・オーバーホール)能力とアフターサポートは、UAE国内企業と連携して構築する。タワズン評議会は、UAEの軍事空輸能力を高め、部隊の即応性や運用効率を向上させる契約だとしている。
今回の契約は、アブダビで開幕した産業展示会「Make it in the Emirates 2026」のタワズン評議会ブースで、現地時間5月4日に締結された。タワズン評議会のナセル・フマイド・アル・ヌアイミ事務総長と、エンブラエル・ディフェンス&セキュリティのボスコ・ダ・コスタ・ジュニア社長兼CEOが署名し、UAEのマンスール・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン副大統領兼副首相兼大統領府長官と、エンブラエルのフランシスコ・ゴメス・ネト社長兼CEOが同席した。
C-390の最大ペイロードは26トン。航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。
C-390/KC-390は、ブラジルやポルトガル、ハンガリー、オランダ、オーストリア、チェコ、韓国、スウェーデン、スロバキアなどが選定している。
関連リンク
Tawazun Council for Defense Enablement
Embraer Defense & Security
C-390解説
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