エンブラエルは、韓国のDAPA(防衛事業庁)と新規事業や市場開拓に向けた協力覚書(MoU)を締結した。韓国は2023年に、エンブラエルの双発輸送機C-390「ミレニアム」をアジアで初めて採用している。

アジア初採用となった韓国空軍のC-390(イメージ、エンブラエル提供)
覚書は、韓国空軍の航空機調達を所管するDAPA航空機事業部長のカン・ジュンヒ空軍准将と、エンブラエルのボスコ・ダ・コスタ・ジュニア防衛航空部門社長兼CEO(最高経営責任者)が、現地時間10月20日から開かれている「ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会(ADEX 2025)」で締結した。
エンブラエルのC-390は、DAPAが実施した「LTA(大型輸送機)II」プログラムの公募で選定され、韓国空軍向けの新たな輸送機として採用された。韓国側の要求に対応した仕様となり、訓練や地上支援機器、部品供給など包括的なサービスも提供される。
エンブラエルは、2013年のリージョナルジェット機「E2」シリーズの開発以降、韓国企業との提携を進めており、サプライチェーンを通じた協力実績がある。今年9月には、KOTRA(韓国貿易投資振興公社)と共に、サチョンや釜山で現地企業との連携拡大を目的としたセミナーや施設訪問を含む1週間の説明会を開いた。

ブラジル空軍のKC-390の機内=24年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで展示飛行するエンブラエルのKC-390=24年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
Republic of Korea Airforce
Embraer Defense & Security
・スウェーデン、C-390を4機契約 7機オプション(25年10月7日)
・ポルトガル空軍、A-29NATO仕様が初飛行 KC-390 3号機も受領し編隊飛行(25年7月19日)
・韓国空軍、新輸送機にC-390選定 アジア初、7カ国に(23年12月5日)
C-390解説
・軍用輸送機C-390でも存在感 エンブラエル、C-130経年機置き換え狙う(24年7月22日)
