三菱重工業(7011)は5月21日、防衛省の次期練習機「T-X」として提案しているコンセプト機の模型を同日開幕した防衛・セキュリティ総合展示会「DSEI Japan」で初公開した。T-Xは国産練習機T-4の後継機構想で、模型のカラーリングは海外の機体メーカーと同様に三菱重工の「ハウスカラー」を定めてデザインした。

三菱重工が初公開した次期練習機T-Xのコンセプト模型=25年5月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
三菱重工がT-X以前に開発した国産練習機は、1971年7月20日に初飛行し、2006年3月2日に退役した高等練習機T-2があり、川崎重工業(7012)が開発した中等練習機T-4にも参画している。T-Xのコンセプトは国産で、T-4と同じく複座でエンジンは双発とし、練習機に求められる信頼性などを取り入れている。
今回の模型の塗装は、三菱重工で先進的な技術を採用した製品に用いているという、白地に黒と青を配した「コズミックデザイン」と呼ぶカラーリングにし、先進性をアピールしている。
防衛装備庁(ATLA)は2024年10月4日に、航空自衛隊が現在運用している国産練習機T-4の後継機と地上教育器材に関する情報提供企業を募集。各社から得た情報などを基に、T-4後継機の開発に向けた技術課題などの分析を進めている。
T-4の後継機となるT-Xへの要求として、最大巡航速度が音速の0.8倍以上、乗員が1人または2人の固定翼ジェット機としている。現時点ではT-Xの仕様などは固まっていないため、今回三菱重工が出展した模型は、同社が提案している仕様に基づいたもので、今後期待に求められる要求が正式に決まった際には変更される可能性がある。
防衛省は現時点で、T-4後継機の具体的な取得計画を決定していない。

三菱重工が初公開した次期練習機T-Xのコンセプト模型=25年5月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

三菱重工が初公開した次期練習機T-Xのコンセプト模型=25年5月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

三菱重工が初公開した次期練習機T-Xのコンセプト模型=25年5月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

三菱重工が初公開した次期練習機T-Xのコンセプト模型=25年5月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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