ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航する新ブランド「AirJapan」は、2月9日に就航1周年を迎えた。機内では、記念の抽選会やプロジェクションマッピングによる演出が行われている。

AirJapan就航1周年を記念し成田発バンコク行きNQ1便でピンポン玉を使った抽選会を開いた客室乗務員(エアージャパン提供)
1周年記念イベントの期間は2月9日から3月22日までで、乗客を対象にしたキャンペーンとして展開。目玉企画は、機内で往復航空券が当たる抽選会で、成田-バンコク(スワンナプーム)線、ソウル(仁川)線、シンガポール線と就航順に期間を分けて開催する。
—記事の概要—
・「くす玉」と「のし袋」で日本演出
・3号機は26年1-3月期
「くす玉」と「のし袋」で日本演出
1周年イベントの初日となった9日の成田発バンコク行きNQ1便(ボーイング787-8型機、登録記号JA801A)は、乗客308人(幼児2人含む)と乗員9人(パイロット2人、客室乗務員7人)を乗せ、成田の21番ゲートから午後5時45分に出発して午後6時21分に離陸。スワンナプーム空港へは現地時間午後11時22分に着陸し、E6ゲートへ同35分に到着した。

AirJapan就航1周年を記念し成田発バンコク行きNQ1便で抽選会を開いた客室乗務員(エアージャパン提供)
機内抽選会は、2月9日から22日までの成田発バンコク行きNQ1便、2月23日から3月8日までの成田発ソウル行きNQ21便、3月9日から22日までの成田発シンガポール行きNQ3便の乗客が対象。バンコク線とシンガポール線は3路線の中から希望路線の、ソウル線は同路線の往復航空券が各便1人ずつ当たる。
抽選方法は、客室乗務員が「1」から「42」までの数字が書かれたピンポン玉で当選者の座席列を決定し、1列あたり「A」から「K」まである座席を決めるピンポン玉を引き、選ばれた席の乗客が当選者となる仕組み。賞品は、機内サービスのオプションを含む「セレクテッド」運賃の往復航空券で、初日は「3」と「H」が引かれ、3H席に座っていた11歳の乗客が当選した。

のし袋に包まれたAirJapanの往復航空券を手にする当選した乗客ら(エアージャパン提供)

AirJapan就航1周年を記念したプロジェクションマッピングを実施している成田発バンコク行きNQ1便の機内(エアージャパン提供)
AirJapanによると、抽選会が初開催となった9日のNQ1便では、ベルトサイン消灯後に客室乗務員3人が中央の座席エリアに集合。法被(はっぴ)を着て抽選会を開いた。当選した3H席の乗客は、日本に家族旅行で訪れていたという。日本らしさを演出する「くす玉」と、「のし袋」で包んだ往復航空券の案内が手渡され、家族とともに記念撮影していたという。くす玉とのし袋の演出は、客室乗務員が日本らしさや言葉の壁があっても何かが当選したことが伝わるものとして取り入れた。
また、機内では1周年を記念したプロジェクションマッピングを実施。普段は機内サービスに使用しているカートの上に小型プロジェクターを設置し、オリジナル動画「想いを紡ぎ、空を拓く」を投影している。動画はAirJapanのブランド誕生から就航都市の広がりを表現し、日本語と英語、タイ語、韓国語、中国語での感謝のメッセージを届けた。対象はバンコク線とシンガポール線の2路線で、復路便は深夜運航のため、乗客の状況を見て実施を判断していくという。
3号機は26年1-3月期
AirJapan便は、FSC(フルサービス航空会社)の全日本空輸(ANA/NH)、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランド。1路線目のバンコク線を2024年2月9日、2路線目のソウル線を2月24日、3路線目のシンガポール線を4月26日に開設した。

就航1周年を迎えた2月9日のAirJapan成田発バンコク行きNQ1便に乗務した客室乗務員(エアージャパン提供)

成田空港を出発するAirJapan初便バンコク行きNQ1便を見送る社員=24年2月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
主にインバウンド(訪日客)をターゲットとしており、バンコク線とシンガポール線の乗客は約8割がインバウンド。需要の季節変動を平準化する観点からも日本発需要を増やす施策を進めており、今回の企画も日本人の利用を増やす狙いがある。
座席数は1クラス324席でエコノミークラスのみ。シートピッチは海外のFSCのエコノミークラスと同等の32インチ(約81センチ)で、東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くした。ANAの国際線用787は34インチ、国内線用は31インチで、グループ内では中間のピッチとなり、中距離国際線でも過ごしやすくしている。
ANA便で運航していた787-8の客室を改修して投入しており、現在2機が就航。3号機の就航は2026年1-3月期ごろになる見通し。

AirJapan就航1周年を記念したプロジェクションマッピングを実施している成田発バンコク行きNQ1便の機内(エアージャパン提供)

AirJapan就航1周年を記念したプロジェクションマッピングを実施している成田発バンコク行きNQ1便の機内(エアージャパン提供)
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