MRJ, 業績, 機体 — 2021年7月2日 17:53 JST

三菱航空機、2期連続最終赤字 債務超過5559億円

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 国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を凍結している三菱航空機が7月1日に公表した第14期決算公告によると、2021年3月期通期の純損益は912億円の赤字(前期20年3月期は5269億円の赤字)と2期連続で最終赤字となった。また、負債が資産を上回る債務超過も2期連続となり、今年3月31日時点の債務超過の額は5559億円と、前年の4646億円から拡大した。

2期連続で最終赤字と債務超過になった三菱航空機=19年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 親会社の三菱重工業(7011)は、2020年10月にスペースジェットの開発凍結を表明しており、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」の取得に必要な文書作成作業を除き、プロジェクトを3年間凍結している。6度の延期で2021年度以降としている納期も、現時点で新たなスケジュールは発表されていない。

 今年3月には、資本金を1350億円から99.6%減資し、5億円としている。

 決算公告は1日の日刊工業新聞に掲載。前期までは毎年官報に掲載していたが、三菱重工によると99%減資の公表から同紙に載せているという。

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