企業 — 2020年10月14日 20:07 JST

川崎重工、無人複合型ヘリで高速化実験 オートバイのエンジン搭載

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 川崎重工業(7012)はこのほど、無人のコンパウンド(複合型)ヘリコプター「K-RACER」の飛行試験に成功した。従来のヘリコプターでは技術的に難しかった高速化を無人試験機で検証し、自律制御による安定飛行を確認した。

川崎重工のNinja H2R(右)のエンジンを搭載し飛行試験に成功したK-RACER(同社提供)

飛行試験に成功した川崎重工のK-RACER(同社提供)

 飛行試験は北海道大樹町の多目的航空公園で実施。試験に投入したK-RACER(Kawasaki Researching Autonomic Compound to Exceed Rotorcraft)は、直径4メートルのメイン・ローターのほか、テール・ローターの代わりに左右両舷に主翼とプロペラを装備した特殊形態の試験機で、メイン・ローターの回転で発生するトルクを左右のプロペラが打ち消し、前進推力を発生することができる。また、前進飛行では主翼が揚力を分担することでメイン・ローターの負担を軽減。従来のヘリコプターでは達成できなかった高速飛行が可能となった。

 同機は川崎重工の航空宇宙システムカンパニーが開発。エンジンは同社製モーターサイクル(オートバイ)「Ninja H2R」のスーパーチャージドエンジンを搭載する。

 川崎重工は、今回の試験結果を有人・無人のヘリコプターをはじめとしたVTOL(垂直離着陸機)の開発に活用。将来的なVTOLシステムの実現などを目指す。

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