エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2019年10月27日 12:38 JST

JAL、787国内線仕様機が就航 羽田-伊丹線、12月から福岡も

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 日本航空(JAL/JL、9201)は冬ダイヤ初日の10月27日、ボーイング787-8型機の国内線仕様初号機(登録記号JA846J)を羽田-伊丹線に就航させた。JALが国内線仕様の787を投入するのは初めて。

787-8国内線仕様機初便となった羽田発伊丹行きJL107便で機内サービスするJALの客室乗務員=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席数は3クラス291席で、ファーストクラスが6席、クラスJが58席、普通席が227席。シートの基本仕様は、9月1日に就航したエアバスA350-900型機で採用したものを踏襲し、ファーストが2-2-2席配列の1列6席、クラスJが2-3-2席配列の1列7席、普通席が3-3-3席配列の1列9席となる。シートは、ファーストは日本の航空機内装品メーカーのジャムコ(7408)、クラスJと普通席は独レカロが製造する。

 置き換えの主な対象となる767-300ERの座席数は3クラス252席で、ファースト5席、クラスJ 42席、普通席205席となっている。

JALの787-8国内線仕様初号機のL2ドア付近に掲げられた黄金の鶴丸ロゴの横で機内を紹介する客室乗務員=19年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 客室は「日本の伝統美」を表現したデザインを採用し、前方左側2番目「L2ドア」付近にはJALの鶴丸ロゴを掲げた。ファーストクラスは、黒を基調とした配色に加え、前方壁面の造形により、6席だけの特別な空間を演出する。クラスJと普通席は、JALのコーポレートカラーである赤を使いつつ、着席時は落ち着いた雰囲気を感じられるようにした。照明には、LEDライトが使われている。

 全クラス全席に電源コンセントと充電用USB端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fiサービス」を無料で提供。A350と同様、出発して地上走行を開始してから、着陸後に駐機場へ到着するまで利用できる。映画など70チャンネルあるビデオコンテンツは、途中で視聴を中断しても次回搭乗時に続きを楽しめるようにした。映画のほか電子書籍48タイトル、オーディオ28チャンネルを用意。リアルタイムで視聴できるライブTVやテキストニュースも提供する。

 エンジンは国際線仕様機と同じ米GE製GEnx-1Bを選定。推力は国際線用の7万ポンドに対し、国内線用は6万4000ポンドに落としている。

伊丹を離陸するJALの787-8国内線仕様機による羽田行きJL112便=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 当初は羽田-伊丹線に1日3往復投入し、主に767-300を置き換える。12月20日からは羽田-福岡線にも拡大し、1日2往復運航する。

 27日の初便は羽田発伊丹行きJL107便で、乗客276人(幼児なし)を乗せ午前8時29分に羽田を出発。伊丹には午前9時40分に到着した。折り返し便は羽田行きJL112便で、定刻では午前10時32分に伊丹を出発して、午前11時43分に到着した。

 その後は羽田午後0時30分発の伊丹行きJL117便、伊丹午後2時30分発のJL120便、羽田午後4時30分発のJL127便、伊丹午後6時30分発のJL130便に投入する。

 国内路線事業本部長を務める本田俊介執行役員は、「伊丹では騒音でご迷惑を掛けており、騒音値を下げて負担を減らしたい。(羽田-伊丹線は)1日15便飛んでいるが11便が置き換わる」と、低騒音・低燃費の機体であることを説明した。

「2009年くらいからコンセプトを考えていた。リビングやオフィスでできることが機内でもできるようになれば、価値ができるのではと考えた。テレビを見ながら、飲み物を飲みながらメールできるのがこの飛行機。到着時にあと1時間乗っていたいと思っていただけたら努力が報われる」と語った。

 JALが発注済みの787は、国際線仕様は787-8が25機、787-9が20機の計45機で、国内線仕様4機を合わせると総数は49機。国内線仕様機は、今年度内に残り3機をすべて受領する計画になっている。

*写真は20枚(写真下に運航スケジュール掲載)。


羽田で出発を待つJALの787-8国内線仕様機=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田で開かれたJALの787-8国内線仕様機就航式典であいさつする本田国内路線事業本部長=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田で開かれたJALの787-8国内線仕様機就航式典であいさつする初便を担当する根本直美機長=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田で787-8国内線仕様機初便となった伊丹行きJL107便の乗客を見送る本田国内路線事業本部長ら=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8国内線仕様機初便となった羽田発伊丹行きJL107便で機内サービスするJALの客室乗務員=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8国内線仕様機初便となった羽田発伊丹行きJL107便で機内サービスするJALの客室乗務員=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

A350と同じく電源コンセントや充電用USB端子を各席に備える787-8国内線仕様機=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港へ向けて降下するJALの787-8国内線仕様機初便JL107便=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港に到着したJALの787-8国内線仕様機=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹を出発するJALの787-8国内線仕様機による羽田行きJL112便=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹を出発するJALの787-8国内線仕様機による羽田行きJL112便=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹を離陸するJALの787-8国内線仕様機による羽田行きJL112便=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの787-8国内線仕様機初便の乗客に配られてた記念品=19年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire


JALの787-8国内線仕様初号機のファーストクラス=19年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの787-8国内線仕様初号機のクラスJ後方エリア=19年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの787-8国内線仕様初号機の普通席後方エリア=19年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

全席に10インチ個人用モニターを備えるJALの787-8国内線仕様初号機の普通席=19年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

運航スケジュール
羽田→伊丹(10月27日から11月30日)
JL107 羽田(08:30)→伊丹(09:35)
JL117 羽田(12:30)→伊丹(13:40)
JL127 羽田(16:30)→伊丹(17:35)

伊丹→羽田(10月27日から11月30日)
JL112 伊丹(10:30)→羽田(11:35)
JL120 伊丹(14:30)→羽田(15:30)
JL130 伊丹(18:30)→羽田(19:40)

関連リンク
国内線ボーイング787 東京(羽田)-大阪(伊丹)線、2019年10月27日就航!
日本航空

写真特集・JAL 787国内線仕様機
(1)1便6席のファーストクラス
(2)クラスJも個人用モニター・電源完備
(3)普通席も全席モニターと電源完備

国内線仕様公開
JAL、787初の国内線仕様公開 27日から羽田-伊丹線(19年10月16日)

機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
JAL 787-8 国内線仕様機 初便 羽田→伊丹 JL107便
JAL 787-8 国内線仕様 JA846J お披露目

JAL 787-8国内線仕様機
JAL初の787国内線仕様機、羽田に到着 27日就航(19年10月9日)
JAL、787国内線仕様は10月就航 既存機もUSB設置、中期計画ローリングプラン(19年2月26日)
JAL、国内線に787-8初導入 19年から羽田-伊丹、4機追加発注(17年9月21日)