エアバス, エアライン, 機体 — 2019年6月13日 13:22 JST

JALのA350、3号機の最終組立完了近づく 2号機は塗装待ち

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 エアバスと日本航空(JAL/JL、9201)は現地時間6月12日、仏トゥールーズの最終組立工場でJAL向けA350-900型機の3号機(登録記号JA03XJ)の製造状況を報道関係者に公開した。垂直尾翼の取り付け作業などが進められており、機体が完成すると動作確認や塗装工程に進む。

トゥールーズにあるエアバスの最終組立工場で垂直尾翼の取付作業が進むJAL向けA350-900の3号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで納入に向けた作業が進むJALのA350-900初号機=19年5月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 3号機は最終組立工場のうち、「ステーション40」と呼ばれる作業エリアで、垂直尾翼や水平尾翼、エンジンパイロン、主脚の取り付けなどが9日間の工程で行われている。エアバスによると、組み立てと並行して地上試験や客室内の作業などが進められる。

 12日の時点で、3号機は主翼や水平尾翼などの取り付けが完了しており、垂直尾翼の取り付け準備などが行われていた。

 一方、2号機(JA02XJ)は機体の組み立てやエンジンの取り付けが終わり、屋外で塗装作業などの工程を待つ状態だった。13日にJALへ引き渡される初号機(JA01XJ)は、エアバスが顧客へ機体を納入するデリバリーセンターで待機している姿が確認できた。

 JALは2013年10月7日に、A350 XWBを最大56機導入すると発表。確定発注は標準型のA350-900が18機、長胴型のA350-1000が13機の計31機で、このほかにオプション(仮発注)で25機購入する契約を結んだ。ボーイング777型機の後継機で、A350-900は主に国内線用777-200の、A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる。

 最初に導入するA350-900は、初号機から3号機までが特別塗装機。機体後部にA350のロゴを大きく描き、初号機は“挑戦”を示す「レッド」、2号機は“革新”の「シルバー」、3号機は“エコ”の「グリーン」を採用した。翼端にはいずれもJALのシンボルカラーである赤を配した。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWBを搭載する。

 A350-900の座席数は3クラス369席で、ファーストクラスが12席(2-2-2席配列)、クラスJが94席(2-4-2席)、普通席が263席(3-3-3席)。置き換え対象となる777-200(3クラス375席:ファースト14席、クラスJ 82席、普通席279席)と比べると、ファーストは2席減、クラスJは12席増、普通席が16席減となり、全体では6席減る。

 全クラスに新シートを導入。全席に電源コンセントと充電用USB端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fiサービス」を無料で提供する。JALによると、機内の詳細は20日にお披露目するという。

*写真は11枚。
*初号機受領と出発の記事はこちら

トゥールーズにあるエアバスの最終組立工場で垂直尾翼の取付作業が進むJAL向けA350-900の3号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズにあるエアバスの最終組立工場で作業が進むJAL向けA350-900の3号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズの最終組立工場の休憩スペースから垂直尾翼が見えるJAL向けエアバスA350-900の3号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズにある最終組立工場で3号機となるJAL向けA350-900の主翼部分の作業を進めるエアバスの作業員=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズにあるエアバスの最終組立工場で垂直尾翼の取付作業が進むJAL向けA350-900の3号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで塗装工程を待つJAL向けA350-900の2号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡しを待つJAL向けA350-900初号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡しを待つJAL向けA350-900初号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

トゥールーズで引き渡しを待つJAL向けA350-900初号機=19年6月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

9月の運航スケジュール
羽田→福岡
JL303 羽田(06:15)→福岡(08:05)
JL317 羽田(12:10)→福岡(14:00)
JL329 羽田(18:10)→福岡(20:00)
*9月1日はJL303を777-200で運航

福岡→羽田
JL306 福岡(09:00)→羽田(10:35)
JL318 福岡(15:00)→羽田(16:40)
JL332 福岡(21:00)→羽田(22:40)
*9月1日はJL306を777-200で運航

関連リンク
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