エアライン, ボーイング, 業績, 機体, 解説・コラム — 2026年5月16日 12:52 JST

スカイマーク、27年3月期純利益51%減予想 国内線サーチャージは27年度視野

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 スカイマーク(SKY/BC、9204)が5月15日に発表した2026年3月期通期決算(非連結、日本基準)は、純利益が前期(25年3月期)比23.7%減の16億3800万円となり、2024年3月期から3期連続の減益となった。売上高にあたる事業収益は過去最高を更新したものの、政府支援の縮小や人的投資強化、空港使用料の増加などで営業費用が膨らみ、営業利益は小幅減益となった。

 2027年3月期の通期予想は、純利益が51.2%減の8億円。事業収益は1208億円と増収を見込むが、新機材導入や運航規模拡大に伴う費用増、原油高・円安などを織り込み、営業利益、経常利益、純利益はいずれも減益を見込む。また、2030年度の中期経営目標に国内線サーチャージ導入を盛り込み、本橋学社長は2027年度(28年3月期)の早い時期に導入する意向を示した。

—記事の概要—
26年3月期実績
27年3月期予想
国内線サーチャージ導入

26年3月期実績

 2026年3月期通期の事業収益は、1.4%増の1104億4100万円で過去最高となった。営業利益は1.4%減の18億100万円、経常利益は282.4%増の29億700万円と大幅に増えた。

26年3月期通期決算を発表するスカイマークの本橋学社長=26年5月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 有償旅客数は1.8%減の799万5697人。国内線需要は堅調だったものの、各社のプロモーション強化などで価格競争が激化した。スカイマークは収益最大化を目指して戦略的な単価設定を進め、単価は2.9%増の1万3409円となった。

 営業費用は1.5%増の1086億4000万円。政府支援の縮小や人的投資強化、空港使用料、人件費、減価償却費などが増加した。一方、燃料費・燃料税は原油価格の下落などで減少し、整備費もエンジン整備引当金戻入益などで減った。

 費用の内訳は、燃料費・燃料税が311億700万円、空港使用料が89億3100万円、航空機材リース料が115億2700万円、整備費が160億1900万円。賞与を除いた人件費は187億1400万円、減価償却費は34億9900万円だった。

 経常利益は、外貨建資産・負債を期末レートで評価替えしたことにより、為替差益13億3800万円を計上したことが寄与した。特別利益では、航空機予備エンジンのセール・アンド・リースバック取引により、固定資産売却益7億1200万円を計上した。

 一方、純利益は前期比で減益となった。原油高や機材計画などを考慮し、繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額(損)19億4900万円を計上した。

 2025年11月13日に公表した前回予想に対しては、事業収益が5億5800万円下回った。一方、営業利益は2億100万円、経常利益は19億700万円、純利益は15億3800万円それぞれ上回った。

 期末配当は、未定としていた1株当たり配当を7円とした。前期実績は3円で、4円の増配となる。2027年3月期から適用する新たな株主還元方針への変更を検討しており、同年3月期の配当予想は未定とした。

27年3月期予想

 2027年3月期通期の業績予想は、事業収益が9.4%増の1208億円、営業利益が16.7%減の15億円、経常利益が72.5%減の8億円、純利益が51.2%減の8億円。運航規模の拡大により増収を見込む一方、新機材導入や運航便数拡大に伴う各種費用の増加、原油高・円安などで減益を想定する。

 運航便数は4.4%増の5万9357便、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は4.8%増の109億4500万席キロ、有償旅客数は7.2%増の857万人を見込む。ロードファクター(座席利用率、L/F)は2.0ポイント上昇し82.2%、単価は0.4%増の1万3460円を想定している。

 営業費用は9.8%増の1193億円を見込む。燃料費・燃料税が321億円、空港使用料が99億円、航空機材リース料が137億円、整備費が191億円、賞与を除いた人件費が192億円となる見通し。為替は1ドル155円、外貨取引のヘッジ後レートは146.1円、ドバイ原油価格は1バレル75ドル、ヘッジ後70.8ドルを前提とした。

 新機材では、4月に日本の航空会社として初めてボーイング737-8(737 MAX 8)を受領した。座席数は現行の737-800と同じ177席で、1座席当たり燃料消費量を約15%削減する。2027年3月期末には30機体制を予定している。

国内線サーチャージ導入

 2030年度の中期経営目標は、事業収益1690億円、営業利益140億円。目標達成に向けた新たな施策として、国内線燃油サーチャージの導入、新PSS(旅客サービスシステム)の稼働、国際定期便の運航検討を掲げた。

 本橋社長は、現状は国内線専業の状況から「サーチャージ以外にもより生産性を上げ、少ない人数で飛ばしていけるようにする。まだまだ向上の余地がある」として、機材稼働率を高めていく姿勢を示した。

 機材更新では、737-8に加えて、2027年度から座席数が多い737-10(737 MAX 10)の導入も計画する。737-10の座席数は207席で、現行737-800より約17%多く、1座席当たり燃料消費量を約19%削減する見込み。737-8と737-10への移行を進め、燃費改善と運航規模拡大につなげる。

関連リンク
スカイマーク

スカイマークの737 MAX
スカイマークの737-8初号機、羽田到着 日本初の737MAX(26年5月4日)
スカイマーク、737MAXシミュレーター公開 モーションで挙動再現(25年7月18日)
スカイマーク、737-10は210席 最大の737MAX、26年度に日本初導入(23年5月16日)

動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
スカイマーク 737 MAX フルフライトシミュレーター

決算
スカイマーク、純利益63.9%減9.6億円=25年4-12月期(26年2月9日)
スカイマーク、純利益4.7億円 通期は下方修正=25年4-9月期(25年11月17日)
スカイマーク、純損失27億円 事業収益は過去最高=25年4-6月期(25年8月14日)
スカイマーク、26年3月期最終益44.1%減12億円予想 本橋社長「ピンチはチャンス」(25年5月16日)