エアライン, 官公庁, 空港 — 2016年2月19日 16:50 JST

羽田の昼間帯合意、米系3社の見方二分 デルタ航空「非常に残念」

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 羽田空港の昼間時間帯での米国路線就航で合意したことについて、米国本土から乗り入れる米系3社は現地時間2月18日、声明を発表した。歓迎を表明する一方、失望感を表す航空会社もあり、見方が二分した。

アメリカン航空「ロサンゼルス便を昼に」

羽田を出発するアメリカン航空のロサンゼルス行き初便=16年2月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アメリカン航空(AAL/AA)のスコット・カービー社長は、「利用客の利便性の向上に繋がる」とし、合意を歓迎。現地時間2月11日に運航を開始した、深夜帯に羽田を発着するロサンゼルス便については、今秋をめどに昼間帯に変更するとの意向を明らかにした。

 アメリカン航空は成田に、ダラス・フォートワース便を1日2往復、シカゴ、ロサンゼルスの各便を1日1往復運航。羽田には午後11時に到着し、翌日午前1時30分に出発するロサンゼルス便を運航している。

ユナイテッド航空「ビジネス・観光でアピール」

 ユナイテッド航空(UAL/UA)は「羽田空港に昼間に乗り入れられることは、世界中の利用客にビジネスと観光面でアピールできる」とし、合意を歓迎した。

羽田に着陸し147番スポットへ向かうユナイテッド航空の到着初便=14年10月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ユナイテッド航空は成田に、ワシントンDCとヒューストン、ロサンゼルス、ニューアーク、シカゴ、デンバー、サンフランシスコの各便を1日1往復運航。本土以外ではグアム便を1日3往復、ホノルル便を1日1往復運航している。以遠権を利用した第三国路線は、ソウル(仁川)とシンガポールにそれぞれ1日1往復ずつを運航している。

 羽田には午後10時35分に到着し、翌日午前0時20分に出発するサンフランシスコ便を運航している。

デルタ航空「事業への影響避けられず」

 デルタ航空(DAL/DL)のピーター・カーター執行副社長兼CLO(最高法務責任者)は、「羽田空港は(今回の合意により)競争が引き続き制限され、厳しく規制された空港となる」とした上で、「非常に残念に思う。事業への影響は避けられない。成田空港のハブ機能や、現在のアジア路線を継続できるよう最善を尽くす」との声明を発表した。

成田空港内を牽引されて移動するデルタ航空の747-400=15年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタ航空は1月22日に発表した声明で、羽田の昼間帯乗り入れに合意した場合、「国際空港としての成田を殺すことになる。現在7路線を運航する、米国本土との直行便から撤退せざるを得ない」とし、強くけん制していた。

 デルタ航空は成田に、アトランタとデトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトル、ミネアポリスの各便を1日1往復、ポートランド便を週5往復運航している。

 本土以外ではグアム便を1日3往復、サイパン便を1日1往復、ホノルル便を週11往復運航してる。以遠権を利用した第三国路線は、バンコクとシンガポール、マニラ、上海、台北の各便を1日1往復、香港便を週5往復のほか、コロール(パラオ)便を週4往復運航している。

 羽田には午後10時20分に到着し、午前0時10分に出発するロサンゼルス便を運航している。

米国以外では初となる成田空港のデルタ航空格納庫=15年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社は成田を「アジアのハブ」と位置づけている。また2014年12月には米国以外では初となる整備用ハンガー(格納庫)を開設。米系航空会社では、ハンガーを唯一保有している。

 リチャード・アンダーソンCEO(最高経営責任者)は2013年7月の来日時、2014年春の羽田国際線発着枠の配分に公正さを求め、「JAL(日本航空、9201)やANA(全日本空輸)だけが羽田に戻ることは不公正だ」と訴えていた。(関連記事

 国土交通省は2月16日から18日まで、都内で米国の航空当局と協議。羽田空港の昼間時間帯に米国路線が就航することで合意した。

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