国土交通省航空局(JCAB)は4月14日、モバイルバッテリーの機内持込みに関する新ルールを発表した。24日から適用する。機内に持ち込めるモバイルバッテリーは、1人2個までに制限するほか、機内でモバイルバッテリー自体を充電することや、モバイルバッテリーから他の電子機器へ充電することも禁止し、違反者は航空法で罰せられる可能性がある。

羽田空港でモバイルバッテリー(右)や機内持込手荷物の新ルールを知らせるチラシを手にするJALのグランドスタッフ=26年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回のルールでは、ほかの電子機器を充電する目的のものを「モバイルバッテリー」、デジタルカメラなどの電子機器から取り外したものは「予備のリチウムイオン電池」と区別。モバイルバッテリーは160Wh(ワット時)以下に限り、持ち込みは2個まで。予備電池は100Wh以下なら個数制限はなく、100Wh超160Wh以下は、持ち込むモバイルバッテリーの組み合わせに応じて持込みの可否や個数が変わる。
これまでもモバイルバッテリーを空港のカウンターなどで預ける「預け入れ(受託)手荷物」に入れることや、160Whを超えるものの持ち込みは禁止しており、ショート防止のため個別に保護し、座席上の手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)ではなく、座席前のポケットなど手元で保管するよう求めている。

国交省が4月24日から適用するモバイルバッテリーの機内持ち込みに関する新ルール(航空局の資料から)
新ルールでは、預け入れ手荷物への収納、160Wh超の持込み、ショート防止措置を取らないこと、2個を超える持込み、機内電源などからモバイルバッテリー自体を充電することは、航空法により罰則が科される可能性がある。持ち込めなかったモバイルバッテリーは、宅配便などの貨物としても、航空輸送はできない場合があるという。

羽田空港でモバイルバッテリーの新ルールを知らせるチラシを家族連れに手渡すJALの客室乗務員ら=26年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空各社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協、鳥取三津子会長)」は14日、国の告示・通達改正を受け、24日から会員航空会社19社が統一的に対応すると発表した。
電子機器の充電が必要な場合、機内備え付けの電源コンセントや充電用USB端子を使うよう求めており、乗務員が業務上必要な場合は適用外となる。航空会社によっては、さらに厳しいルールを設ける場合があるとして、各社の指示に従うよう呼びかけている。
羽田空港では、加盟社のうち9社から17人の客室乗務員やグランドスタッフ(地上旅客係員)、パイロット、整備士らが、24日からのモバイルバッテリーの新ルールがまとめられたチラシを配り、利用者に理解を求めた。

羽田空港でモバイルバッテリーの新ルールを知らせるチラシを利用者に手渡すJALの客室乗務員=26年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

モバイルバッテリーの新ルールに理解を求める定航協の吉田秀彦事務局長=26年4月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定航協の吉田秀彦事務局長は「今月末から始まる大型連休では、より多くのお客様にご搭乗いただくことになり、安全性が非常に重要。ご搭乗前に必ず各航空会社のウェブサイトなどで確認いただきたい」と、モバイルバッテリーの新ルールへの理解を求めた。
今回の見直しは、ICAO(国際民間航空機関)が定める国際基準の緊急改訂を受けたもの。世界的にリチウム電池関連の機内火災が増え、欠陥や脆弱性のある低品質なモバイルバッテリーの流通が懸念されている。ICAO理事会は現地時間3月27日に改訂案を承認し、即日適用した。日本では、航空局が2月27日からパブリックコメントを募り、告示と通達を改正した。
関連リンク
国土交通省
定期航空協会
各社の充電環境と変換アダプターの危険性
・モバイルバッテリー機内規制強化、航空各社の充電環境は? USB Type-C普及で危うい変換アダプター(26年2月27日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・「火元はモバイルバッテリー」JAL CAが火災対応を実演
JAL CAの訓練
・JAL、CAがモバイルバッテリー火災想定し訓練 手元で管理を(25年12月2日)
ICAO
・機内のモバイルバッテリー2個まで ICAO新規程、飛行中の再充電禁止(26年3月28日)
4月から見直しへ
・モバイルバッテリー機内2個まで 国交省が4月改正、パブコメ募集(26年2月27日)
国内各社の対応
・モバイルバッテリーの機内持込、手荷物棚”禁止” 7/8から手元で管理(25年7月7日)
・モバイルバッテリー、手荷物棚に収納“禁止” 国交省が安全対策強化(25年7月1日)
・モバイルバッテリーの機内使用、大手2社は現状維持 耐熱袋などで安全対策(25年3月14日)
モバイルバッテリー
・大韓・アシアナら5社、モバイルバッテリー使用禁止に 1/26から全便(26年1月23日)
・エアアジア、モバイルバッテリー4/1から禁止 飛行中の使用や充電(25年3月28日)
・タイ国際航空、モバイルバッテリー3/15から禁止(25年3月14日)
・シンガポール航空、モバイルバッテリー使用・充電4/1から禁止(25年3月12日)
・エバー航空とチャイナエア、モバイルバッテリー使用・充電禁止 台湾各社足並み揃う(25年2月28日)
・エアプサン香港行きBX391便、釜山出発前に火災 乗客3人けが(25年1月29日)
