エアライン, 官公庁, 解説・コラム — 2025年7月1日 17:31 JST

モバイルバッテリー、手荷物棚に収納“禁止” 国交省が安全対策強化

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 国土交通省航空局(JCAB)は7月1日、モバイルバッテリーの機内持ち込み方法を変更すると発表した。8日以降は頭上の手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)へ収めず、手元で保管するよう求め、措置を強化する。機内に持ち込んだモバイルバッテリーによる発煙・発火などの事例が国内外で発生しているとを受けた措置で、日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空会社19社が加盟する「定期航空協会(定航協)」と連携し、客室の安全性向上を図る。

モバイルバッテリーの機内持ち込みで措置を強化する国内航空各社(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 8日以降は、モバイルバッテリーを収納棚に入れないよう求めるほか、使用時は状態を常に確認するよう要請する。海外の航空会社への搭乗時は、各社の指示に従う。

 モバイルバッテリーは航空法第86条により、機内預け入れ荷物に入れることを禁止されている。予備のバッテリーパックには、端子への絶縁テープなどにより短絡を防ぐことも定められている。また持ち込み数にも制限があり、100ワット時(Wh)以上160Wh以下のものは2個まで持ち込める。160Wh以上のものは持ち込みを禁じている。

 韓国で今年1月、出発前のエアプサン(ABL/BX)の釜山発香港行きBX391便(エアバスA321型機、登録記号HL7763)で火災が発生したした。乗客のモバイルバッテリーが火元となった可能性が指摘されていることから、海外の航空各社は飛行中のモバイルバッテリーの使用や充電を禁止する動きが出ている。

 定航協の調査によると、国内線での発煙・発熱・膨張の事案は、直近1年で数件発生。常に状態を確認できる場所に収納していたことから、発生時は乗務員がすぐに対処し、運航への影響はなかったという。

関連リンク
国土交通省
定期航空協会

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モバイルバッテリー
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