エアライン, 官公庁 — 2026年4月3日 19:50 JST

航空燃料高騰、1カ月で約2.5倍に 定航協「ヘッジに限界」長期化で航空網への影響も

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 経済産業省の外局・資源エネルギー庁は、ガソリン・軽油・重油・灯油・航空機燃料の「燃料油」に対する緊急支援を始めた。中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置で、原油価格高騰による石油製品価格の高騰を抑制する。このうち、航空機燃料は4月2日以降、1リットルあたり19.9円を支給。全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内の航空各社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協)」は3日、燃料高騰への緊急声明を発表し、抑制策へ謝意を伝える一方、逸脱した価格高騰には対応の検討が必要で、燃油ヘッジには限界があると訴えた。

中東情勢による燃油高騰に直面する航空各社(資料写真)=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 航空燃料(ケロシン)の価格は1カ月で約2.5倍に跳ね上がり、原油価格の約1.8倍を上回り、急激な価格変動に直面している。世界の航空各社をみると、航空各社が生き残りをかけた運賃改定や燃油サーチャージの値上げなどが余儀なくされており、1カ月で2度のサーチャージ引き上げや、運賃を最大20%値上げしたケースもあるという。

 定航協の鳥取三津子会長は緊急声明で、「政府からの補助金による抑制策が早期に講じられたことは大変有難い」と謝意を示した。一方で、本邦航空各社の現行の燃油サーチャージ制度は、一定の価格変動幅を前提に設計されているとした上で、「現在の異常な高騰は、従来のスキームが想定していた上限や変動のスピードをはるかに逸脱している。対応の検討が必要だ」と訴えた。

 また国際線と異なり、国内線で燃油サーチャージを導入している例は少なく、想定外の円安も重なっていることから「国際線と比較し、より深刻な状態」に陥っていると説明。「燃油ヘッジ」は、将来の使用分を固定価格で確保する手段で、価格の平準化に過ぎず、今後先物価格自体が高騰していく場合には、中長期的なコスト上昇が避けられず、燃油ヘッジには限界がある、との認識を示した。

 今回の原油価格高騰を「未曾有の事態」と表現し、「『公共交通の使命として、日本の空を守る』という強い決意のもと、持てるすべての手段を尽くす」とした一方、現在の価格高騰が長期化した場合は、ネットワーク(航空網)維持への影響が生じる」と懸念を示した。

関連リンク
燃料油価格定額引下げ措置(経済産業省 資源エネルギー庁)
定期航空協会

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