ボーイングは、米空軍のF-15C戦闘機37機の近代化改修を完了した。F-15Cの運用継続に必要な機能を追加し、今後の戦闘環境への対応力を高めたもので、ルイジアナ州ニューオーリンズの空軍州兵基地で行われた。

ボーイングが近代化改修した米空軍のF-15C(同社提供)
今回の改修では、ミッションコンピューターの処理能力を向上させる「ADCP-II(Advanced Display Core Processor II)」と、安全性の高い通信を可能にする「MIDS-JTRS(多機能情報配信システム-統合戦術無線システム)」を搭載。F-15Cが将来的に退役するまでの間、戦闘能力と通信性能の維持に貢献するという。
改修作業は、ボーイングの政府向けサービス部門が担い、約30人が作業に従事。多くが軍経験者で、実戦や現場での安全性に関する知見を活用し、1機あたり約62日間で実施したという。
F-15Cは配備から50年近く経過しており、ボーイングは今回の改修を「今後の能力拡張や革新の土台になる」と説明している。

ニューオーリンズ基地で近代化改修が行われた米空軍のF-15C(同社提供)
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