米空軍は、沖縄の嘉手納基地へ最新複座戦闘機F-15EX「イーグルII」の恒久的な配備に向け、準備を進めている。2026年春から36機配備する計画で、事前の統合・慣熟訓練としてフロリダ州エグリン空軍基地から第85試験評価飛行隊に所属する2機を展開した。

嘉手納基地へ着陸する米空軍のF-15EX(同軍提供)
F-15EXは、制空戦闘機F-15「イーグル」、多用途の戦闘爆撃機F-15E「ストライクイーグル」を経て、さらなるマルチロール化やネットワーク機能の強化が施されたF-15シリーズの最新型。将来的な拡張にも対応できる設計で、第4世代機の外観を保ちながらも、無人機との連携など次世代ミッションシステムの統合が可能となっており、今回の2機は7月12日に到着した。
第18航空団のジョン・ギャルモア准将は、「F-15EXの到着は訓練の機会にとどまらず、インド太平洋地域における将来の航空戦力の一端を示すものだ」と述べた。
嘉手納へ展開中のF-15EXは、8月まで続く演習「Resolute Force Pacific 2025」への参加や、整備部門によるデータ収集なども進める。
同機は、最新のアビオニクスや次世代レーダー、先進電子戦システム、拡張された兵装搭載能力を備えており、米空軍は第4世代機と第5世代機のローテーション配備を通じて、嘉手納での航空戦力の維持を図るとしている。

嘉手納基地へ着陸する米空軍のF-15EX(同軍提供)

嘉手納基地へ到着する米空軍のF-15EX(同軍提供)

嘉手納基地へ到着した米空軍のF-15EX(同軍提供)
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