JAL、A321neo初導入 赤坂社長「人口減少は止めようがない」特集・767国内線後継をなぜ小型化するのか

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 日本航空(JAL/JL、9201)は3月21日、エアバスとボーイングから計42機を導入することを発表した。このうちJALが初導入するのが小型機のエアバスA321neoだ。現行の中型機であるボーイング767-300ER型機の後継で、2028年から11機導入し、羽田発着路線を中心に投入を計画している。また、今年1月の事故で全損となった大型機エアバスA350-900型機の13号機(登録記号JA13XJ)の代替機材は2025年度下期に同型機を1機受領する。

 奇しくも3月21日に発表となったA321neo導入。2028年から20年程度は運航されるとみられ、2048年に日本がどのような状況になっているかも見据えた上での小型化だ。

国内線仕様機はA321neoへ置き換えられるJALの767-300ER=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
A321neoへ小型化
国内線ネットワーク維持

A321neoへ小型化

 JALの767は現在27機あり、このうち貨物機767-300BCFに改修済みが2機、改修予定が1機あることから、これら3機を除くと24機が旅客機となる。24機のうち、国際線機材が9機、国内線機材が15機で、インバウンド(訪日)需要が旺盛な国際線は、後継機を787に大型化する一方、国内の人口減少やコロナ後の出張需要が戻りきらない状況が続くとみられる国内線はA321neoに小型化する。

JALが国内線に投入するA321neoのイメージ(同社提供)

 国内線用767の座席数は、3クラス252席(ファーストクラス5席、クラスJ 42席、普通席205席)の「A25」仕様と、2クラス261席(クラスJ 42席、普通席219席)の「A27/A28」仕様の2種類。国際線は2クラス199席(ビジネスクラス24席、エコノミークラス175席)のA44仕様のみだ。

 A321neoのメーカー標準座席数は1クラス最大244席、2クラスでは180-220席で、国内初導入となった全日本空輸(ANA/NH)では2クラス194席(プレミアムクラス8席、普通席186席)としている。

A350と同じ最新シートを採用したJALの787-8国内線仕様のファーストクラスは1列6席。A321neoに設定するとなると1列4席になりそうだ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALは国内線8路線にファーストクラスを設定しており、羽田発着の札幌(新千歳)、伊丹、広島、福岡、鹿児島、那覇、石垣に加え、伊丹-那覇線が対象路線。767の3クラス仕様はこれらの路線を中心に投入しており、JALが国内線に投入している737-800の座席数2クラス165席(クラスJ 20席、普通席145席)を前提に考えると、A321neoは3クラス構成で180席(ファースト4席、クラスJ 20席、普通席156席)程度、2クラス構成では194席(クラスJ 20席、普通席174席)程度は設定できそうだ。

 このため、250席クラスの767から200席クラスのA321neoになると、座席数がおおむね50席(20%)程度は減少するとみられる。

国内線ネットワーク維持

 斎藤祐二専務グループCFO(最高財務責任者)は、国内線の回復状況について「コロナ前の95%くらいまで回復しているが、路線や方面により回復度合いに差がある」と説明。「ビジネス需要が戻りきらないことが今後続くだろうということと、新しい需要を創出していくものの、将来的な生産労働人口の減少も含め、路線によって少し供給を減らしていくことが適合するのではないか」と、国内線用767の後継機を小型化する背景を語った。

A321neoなど発注機材について説明するJALの赤坂社長=24年3月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 赤坂祐二社長も「人口減少は止めようがない。非常に急速に進んでおり、地域の活性化、地域を維持していくためには人が動くしかない」として、移住した定住人口や観光で訪れる交流人口には当てはまらない「関係人口」を増やしていく取り組みが不可欠だと述べた。

 2019年暦年の国内線のロードファクター(座席利用率)は79.6%で、コロナ前では最高値だった。今年度2023年度は74.1%、2024年度は77.2%となる見通しで、コロナ前にもっとも混雑していた際のロードファクターが80%弱であったことから、20%程度の提供座席数減であれば大きな影響は及ぼさないと判断したようだ。

 斎藤専務は「ネットワークをしっかり維持していくことが重要」と、A321neoが稼働する2028年から2048年ごろの需要を見極め、国内線ネットワークを維持していくための判断であることを強調した。

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