エアライン — 2023年8月12日 18:15 JST

日航機事故から38年、76家族272人が御巣鷹山登る 追悼式は4年ぶり遺族参列

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 乗客乗員520人が亡くなった日本航空123便墜落事故から、8月12日で38年が経った。午後6時開式の追悼慰霊式は、コロナ前の2019年以来4年ぶりに遺族が参列して開かれる。

御巣鷹山の「昇魂之碑」を訪れる遺族(資料写真)=22年8月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALによると12日午後4時の時点で、昨年よりも27家族122人多い76家族272人の遺族が御巣鷹山を訪れた。新型コロナの「5類」移行後初の夏休みとあって、2020年以降では最多、2019年同時刻の80家族276人に近い登山者数になった。これまでの最多は事故後30年の2015年で、106家族406人だった。

 群馬県多野郡上野村の追悼施設「慰霊の園」で開かれる追悼慰霊式は、2019年は270人が出席。このうち遺族関係者は172人だった。4年ぶりに遺族が参列する今年は76人の遺族を含む140人が出席した。羽田発伊丹行きJL123便(ボーイング747SR-100型機、登録記号JA8119)が墜落した午後6時56分に、参列者が黙祷(もくとう)をささげる。

JL123便墜落事故の犠牲者数と同じ520本のろうそくがともされた慰霊の園(資料写真)=22年8月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JL123便には、乗客509人と乗員15人の524人が乗っていた。1985年の事故発生から38年が経過し、当時から働く社員は今年3月末時点で全社員の1.2%にあたる154人まで減少しており、事故の記憶を風化させず、教訓を伝えていく重要性が高まっている。

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