エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2023年5月25日 14:57 JST

JAL、最後の777-200ERを羽田-中部6月投入 国内線でフルフラット席

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 日本航空(JAL/JL、9201)は、今年度上期で退役を予定しているボーイング777-200ER型機のうち、最後まで残った3号機(登録記号JA703J)を6月の羽田-中部線に一部日曜と月曜を除き投入する。

羽田-中部線に投入される777-200ER JA703J=23年4月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
7月からは777-300ER
初号機は”飛行機の墓場”ローパス

7月からは777-300ER

 同路線は1日2往復で、3号機を投入するのは羽田を午後7時10分に出発する中部行きJL209便と、翌朝の午前7時50分に中部を出る羽田行きJL200便。羽田発は1日から30日、中部発は翌2日から7月1日まで。3号機による運航日は、羽田発が日曜日の6月11日と18日を除く毎日、中部発は月曜日の12日と19日を除く毎日となる。11日と18日のJL209便、12日と19日のJL200便は国際線機材の787-9(3クラス195席)で運航する。

国内線でフルフラットシートを利用できる777-200ER JA703JのクラスJ=23年4月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、5月1日の羽田-下地島チャーターと、2日から7日までの羽田-札幌(新千歳)、那覇線に3号機が投入され、羽田-中部線には20日と23日のJL209便、翌21日と24日のJL200便に投入された。中部線投入の際には、空港運営会社がTwitterで紹介していた。

 7月1日以降のJL209/200便は、5月25日時点で国際線機材の777-300ER(4クラス244席)の投入が予定されている。

初号機は”飛行機の墓場”ローパス

 全11機あったJALの777-200ERのうち、3号機が引き渡されたのは2003年2月3日。マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11型機の後継機として、東南アジアやハワイなど中距離国際線を中心に投入されていたが、2021年に国際線の運航から離脱し、3号機を含む5機を国内線に転用した。

羽田空港を出発するJALの777-200ER初号機JA701J退役チャーターを横断幕を手に見送るJAL社員=23年5月16日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

 前年度末の3月31日までは、初号機(JA701J)と2号機(JA702J)も稼働しており、3機体制だった。4月からは、3号機のみ国内線機材として一部の週末やゴールデンウイークなど高需要の日に投入されている。

 座席数は2クラス312席で、クラスJが26席、普通席が286席。クラスJのシートは国際線時代にビジネスクラスだった「スカイスイートIII」をそのまま使用しており、国内線でフルフラットシートを体験できるのが売りだった。

 客室仕様は乗務員の休憩スペース「クルーバンク」の有無で2種類あり、11機のうちJA701Jから703Jまでの3機はクルーバンクなしのW64、JA704Jから711Jまでの8機はクルーバンクありのW63だった。

羽田空港を離陸するJALの777-200ER 2号機 JA702JのフェリーフライトJL8132便=23年5月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 退役済みの2号機は5月9日、初号機は16日に羽田から売却先の米国へ向かった。いずれも目的地は、世界各地から退役機が集まることから“飛行機の墓場”とも呼ばれる米カリフォルニア州ビクタービルのサザンカリフォルニア・ロジスティックス空港で、初号機は乗客を乗せない「フェリーフライト(回航便)」を活用した本邦初のチャーター便として運航され、ビクタービルを2回ローパス後にロサンゼルスへ到着した。

 また、JALの777-200ERのうち最初に退役した4号機(JA704J)は、NASA(米国航空宇宙局)がアームストロング飛行研究センターで飛行実験室として運用しているダグラス(現ボーイング)DC-8-72型機(N817NA)の後継機として導入する計画を進めている。

JA703J 運航スケジュール(5/25時点)
JL209 羽田(19:10)→中部(20:10)運航日:6/1-10, 12-17, 19-30
JL200 中部(07:50)→羽田(08:50)運航日:6/2-11, 13-18, 20-7/1



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ロサンゼルスを離陸するJALの777-200ER初号機JA701J のフェリーフライトJL8134便=23年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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