ボーイング, 官公庁, 機体 — 2022年10月23日 08:12 JST

政府専用機にトラブル 岸田首相は予備機で帰国

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 豪州を訪問していた岸田文雄首相は10月23日午前、政府専用機の予備機(B-777、80-1111)で帰国した。豪州西部のパースを出発前に、使用予定だった機材(B-777、80-1112)にトラブルが発生したため、予備機に荷物などを積み換えて約1時間40分遅れで出発し、羽田に到着した。

パースから羽田までの任務運航を終えて千歳基地へ向かう政府専用機B-777 80-1111=22年10月23日9時20分 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 政府専用機は航空自衛隊千歳基地の特別航空輸送隊が運航。天皇陛下や首相が使用する場合、原則2機1組で運用しており、21日に羽田を出発時は2号機(80-1112)に岸田首相が搭乗し、初号機(80-1111)は予備機として随行した。2機のうち、どちらの機体を予備にするかは任務ごとに異なる。パースでトラブルが起きた2号機は千歳基地へ向かった。

 現行の政府専用機であるB-777は、整備や隊員教育を全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が受託している(関連記事1)。先代のB-747-400は日本航空(JAL/JL、9201)が受託していた。B-777は、2019年4月22日に故安倍晋三首相(当時)の外遊で、初めて任務運航に就いた(関連記事2)。

 政府専用機が首相などを乗せる任務運航で、随行する予備機が実際に使われるのは先代B-747の時代も含めて異例。昨年6月に当時の菅義偉首相が英国で開かれたG7サミット(主要7カ国首脳会議)に出席する際、首相が乗る機体(80-1112)の機内照明に不具合が発生し、予備機(80-1111)に変えて約1時間20分遅れで羽田を出発した。この時は菅氏は搭乗前だったが、政府関係者や同行記者団が搭乗後に機材を変更した(関連記事3)。首相が搭乗するB-777の任務運航で、予備機に機材変更したのはこの時が初めてで、今回で2回目となった。

 政府専用機は要人輸送だけではなく、民間機の運航が難しい邦人救出などの任務にあたることがある。昨年はアフガニスタンの在留邦人を国外に退避させるため、近隣国の空港へ1機派遣された。

パースから羽田までの任務運航を終えて千歳基地へ向かう政府専用機B-777 80-1111=22年10月23日9時27分 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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