エアライン, 機体 — 2022年8月16日 23:55 JST

超音速機ブーム、アメリカン航空が最大20機発注へ 洋上でマッハ1.7

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 アメリカン航空(AAL/AA)は現地時間8月16日、米ブーム・スーパーソニック(Boom Supersonic、本社デンバー)が開発中の超音速旅客機「オーバーチュア(Overture)」を最大20機、追加40機分のオプション付きの購入に合意したと発表した。アメリカン航空は最初の20機について返金不可の手付金を支払った。オーバーチュア導入を表明した米国の航空会社は、ユナイテッド航空(UAL/UA)に続き2社目となった。

アメリカン航空が導入するブームのオーバーチュア(同社提供)

 オーバーチュアは、65-80人の乗客を乗せて洋上でマッハ1.7、陸上でマッハ0.94で飛行し、航続距離は4250海里(7871キロ)になる計画。マッハ1.7は現在最速の民間航空機の2倍の速度で、マイアミからロンドンまで5時間弱、ロサンゼルスからホノルルまで3時間で飛行でき、世界で600以上の路線を半分の時間で飛行できるという。

 7月にロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーで、ブームはオーバーチュアの最終生産設計を発表。エンジンは4基で、アフターバーナーを使わずに超音速を実現する。従来の3基からエンジンを増やしたことで、1基あたりに必要な推力を抑え、機体全体の騒音レベルを低減する。また、胴体や翼の形状も見直した。

 オーバーチュアは2024年に生産を開始し、2025年にロールアウト、2029年に最初の商業飛行を計画している。燃料は代替航空燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」を100%使用できる。

 米国の航空会社では、ユナイテッド航空が2021年6月3日に15機を確定発注。オーバーチュアが確定受注を獲得したのは初めてで、35機のオプション(仮発注)付き。

 また、日本航空(JAL/JL、9201)が2017年12月にブームと提携して1000万ドルを出資し、将来の優先発注権を20機分確保している。ブームは米空軍と共同で超音速機の政府用途への応用を進めている。

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