エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2022年4月22日 12:45 JST

JALとZIPAIR、787就航10周年で2機並ぶ ボストン初便の機体

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 日本航空(JAL/JL、9201)は4月22日、ボーイング787型機の就航10周年を記念し、同社の機体(787-8、登録記号JA835J)と100%出資する中距離国際線LCCであるZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の機体(787-8、JA822J)を成田空港の格納庫に並べ、マイル会員向けに撮影会を開いた。両社の787が並ぶイベントは初めて。

JALとZIPAIRの787の前で記念撮影する就航10周年イベントの参加者とパイロットら=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JAL機は今月1日まで垂直尾翼の鶴丸ロゴを金色にしていた機体を用意し、ZIPAIRの機体は同社の初号機で、10年前の就航初便である成田発ボストン行きJL008便に投入されたJALの元2号機を並べた。

—記事の概要—
ボストン行き初便はJA822J
4機以外は国際線機材
ZIPAIRは10機に

ボストン行き初便はJA822J

 JALは2004年12月22日に、当時7E7だった787を確定30機、オプション20機発注する方針が決まったと発表。2008年度から国際線と国内線に新中型機として導入し、当時36機あった767や22機のエアバスA300-600型機を置き換えるとしていた。短距離型として7E7-3(座席数:約300席、航続距離:約6400キロ)、長距離型として7E7-8(約250席、約1万4000キロ)を導入する予定だった。

成田空港の格納庫に並ぶJALの787-8 JA835JとZIPAIRの787-8 JA822J=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 その後、2005年1月28日に、ボーイングは仮称の7E7に正式名として787を名付けたと発表。787-3と787-8のうち、日系2社しか発注がなかった787-3は、開発遅延もあり標準型の787-8に吸収され、エンジンは米GE製GEnxを選定した。

 2012年2月15日には、長胴型の787-9を発注すると発表。同年3月27日に、初号機のJA825Jが成田、2号機のJA822Jが羽田に到着した。JALの787初便である同年4月22日の成田発ボストン行きJL008便にはJA822Jが投入された。

 10周年を記念した22日のイベントは、JALのマイル制度「JALマイレージバンク(JMB)」会員向けで、午前と午後の2回開催。1人7878マイルで参加者を募り、2回合わせて46人が参加した。

成田空港に到着したJALのボーイング787初号機JA825Jと社員ら=12年3月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

イベントで挨拶するJALの787運航乗員部の丹治部長=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 10年前は試験飛行室でテストパイロットを務め、初号機のJA825Jを成田までフェリーした787運航乗員部の丹治和貴部長は「4月22日はJALとしてお客さまを初めて乗せ、ボストンに出発した日。それまでの1カ月間は、パイロットが初めて787に触れるので国内の空港で練習していた」と当時を振り返った。

 787就航前に整備資格を取得したJALエンジニアリング(JALEC)成田航空機整備センターの整備士、濱本隆志さんは「成田で心待ちにしていた。導入時にトラブルはあったが、これまでの飛行機と比べるとかなり少なかった。“機愛”を持って1便1便飛ばしている」と話した。

成田空港でJALのボストン線初便の787-8 JA822Jに搭乗する乗客ら=12年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

4機以外は国際線機材

 JALが現在受領している787は、787-8が29機と787-9が22機の計51機で、787-8のうち4機は2019年10月27日に就航した国内線機材(E21仕様)で、ほかはすべて国際線機材となる。

JALの社員らに見送られて成田を出発するボストン線初便の787=12年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 客室仕様は787-8が国際線用のE12(2クラス186席)、E03(2クラス206席)、国内線用のE21(3クラス291席)の3種類で、すべて国際線で使用している787-9はE71(3クラス195席)、E91(3クラス203席)、E92(3クラス239席)の3種類がある。

 787-8が就航した2012年当時の客室仕様は、E01と呼ばれる2クラス186席(ビジネス42席、エコノミー144席)で、ビジネスクラスのシートは「JALシェルフラットネオ」でライフラットタイプが2-2-2席配列、エコノミーは2-4-2席配列。その後エコノミークラスを増やした2クラス206席(ビジネス30席、エコノミー176席)のE03仕様に改修され、E01仕様の機材は現存しない。

ZIPAIRは10機に

 787-8の初号機(JA825J)と2号機(JA822J)は、2019年からZIPAIRにリースされており、現在はJA822Jが同社の初号機、JA825Jが2号機とJAL時代から入れ替わり、3号機としてJA824J、4号機としてJA826Jも移管された。ZIPAIRは年に2機程度ずつ増機していく計画で、新造機も含めて2024年度には10機体制を目指す。

成田空港の格納庫に並ぶZIPAIRの787-8 JA822JとJALの787-8 JA835J=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席数は2クラス290席で、フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席となっている。

 ZIPAIR仕様はJAL時代と比べて約1.5倍の座席数に増えた。JALが国際線仕様機で世界唯一の1列8席としているのを、他社やJALの国内線仕様機と同じ9席に変えたり、客室乗務員が機内食やドリンク類を準備する4カ所あったギャレー(厨房設備)を3カ所に減らすなど、機内のレイアウト変更で座席数を増やした。

 また、JALは就航10周年イベントとして、5月28日に羽田発着のチャーター便を運航する(関連記事)。

*写真は12枚。

JALとZIPAIRの787の前で記念撮影する就航10周年イベントの参加者とパイロットら=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港の格納庫に並ぶJALとZIPAIRの787=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

イベントで機内が公開されたJALの787-8 JA835Jのビジネスクラス=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

イベントで機内が公開されたJALの787-8 JA835Jのエコノミークラス=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港の格納庫に並ぶJALとZIPAIRの787=22年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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【お知らせ】
JALから参加者数の最新情報が来たので当該カ所を更新しました。(22年4月22日 19:07 JST)

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