エアバス, エアライン, 企業, 機体, 空港 — 2020年11月3日 19:32 JST

ピーチA320neoのエンジン、ブレードは重さ半分 栃木・AeroEdge、仙台で初飛来祝う

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 国内の航空会社で初めてCFMインターナショナル製エンジン「LEAP-1A」を採用したピーチ・アビエーション(APJ/MM)のA320neo初号機(登録記号JA201P)が、冬ダイヤ初日の10月25日に就航した。国内LCCがA320neoを運航するのも初めてで、関西発札幌(新千歳)行きMM103便が初便となった。

仙台空港に到着したピーチのA320neoとAeroEdgeの森西淳社長=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 A320neoファミリーのエンジンは、LEAP-1Aと米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」の2機種から選べるが、ピーチのA320neo初号機は、LEAP-1Aを選定している。A320neoは従来のA320ceo(従来型A320)と比べて最大約20%燃費が向上するが、そのうち15%はLEAP-1Aによる改善となる。ピーチでは、従来機A320ceoが採用しているCFM56-5Bの信頼性の高さから、LEAP-1Aを選んだ。

 低圧タービンのブレードは、栃木県足利市のAeroEdge(エアロエッジ)が製造。同社は米GEとともにCFMに出資する仏サフランからLEAP-1A向け部品の量産サプライヤーに選ばれており、日本の中小企業が直接量産契約を勝ち取った。

 AeroEdgeの原材料輸入と完成品輸出、検品・在庫管理などは、仙台空港を運営する仙台国際空港会社が支援している。A320neoの就航初日は札幌到着後に仙台へ向かい、空港の放水アーチで歓迎を受け、AeroEdgeの森西淳社長と社員が、パイロット出身のピーチの角城健次副社長や客室乗務員とともに出迎えた。

仙台空港でA320neoについて説明するピーチの角城健次副社長=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 「(日本の中小企業が)サフランと契約したのは極めてまれなこと。燃費や騒音も改善し、環境に優しいエンジンだ」と、ピーチの角城健次副社長は、仙台空港に集まった報道関係者にこう説明した。

 新エンジンにより航続距離も伸び、従来のA320ceoの2120海里(3926キロ)からA320neoは2730海里(5056キロ)に伸びた。関空を起点とした場合、A320ceoは中国内陸部の成都やフィリピンまでの飛行距離だったが、シンガポールやホーチミンなどへ飛べるようになる。

 エンジンのファン径も、A320ceo用のCFM56-5Bの68.3インチ(173センチ)から、A320neoのLEAP-1Aは78インチ(198センチ)に大型化。燃費改善や騒音削減に加え、有害物質排出量も50%削減される。

仙台空港でLEAP-1Aについて説明するAeroEdgeの森西淳社長=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 AeroEdgeの森西社長は、「従来ニッケル合金だったブレードが、チタンアルミという新しい材料に変わり、半分の重さになった。欧州は環境や品質の非常に厳しい規制があり、学ぶところがある。サフランにアタックしてコンペを勝ち抜いた」と経緯を語る。

 「日本で作れない材料なので、仙台空港では輸出入の手伝いや最初の確認などをサポートしていただいており、安心して材料を受け入れられる」(森西社長)と、仙台空港会社に謝意を示した。

 森西社長は、サフランから最初に言われた「理解不足やいい加減なことがあった場合、人の命を奪うことになる」という言葉が非常に強く残っているといい、日々の品質向上が不可欠だと語った。

 ピーチのA320neoは、座席数が1クラス188席。ラバトリー(化粧室)とギャレー(厨房設備)の配置を見直すことで客室後部スペースを有効活用するエアバスの客室レイアウトオプション「Space-Flex」を採用したことで、既存のA320ceoと同等のシートピッチの28インチ(71センチ)を維持しつつ、座席番号31列目6席と32列目2席の計8席を増やした。

 ピーチの角城副社長によると、年度内に3機のA320neoを受領予定。経年機の置き換えを進めていく。

*写真は22枚。
*機内・外観の写真特集はこちら
*初便機内の様子はこちら

仙台空港に着陸するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で放水アーチによる歓迎を受けるピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にピーチのA320neoを出迎えるAeroEdgeの社員ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にピーチのA320neoを出迎えるAeroEdgeの社員ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港に到着したピーチのA320neoに搭載されたLEAP-1Aエンジン=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にA320neoを出迎えたピーチの角城健次副社長とAeroEdgeの森西淳社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港でピーチのA320neoに搭載されたLEAP-1Aエンジンを見学するAeroEdgeの森西淳社長(左)とピーチの角城健次副社長=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港でピーチのA320neoを出迎えたAeroEdgeの森西淳社長と社員=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にA320neoを見送るピーチの角城健次副社長とAeroEdgeの森西淳社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港でA320neoを見送るピーチの角城健次副社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にA320neoを見送るピーチの角城健次副社長とAeroEdgeの森西淳社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にA320neoを見送るピーチの角城健次副社長とAeroEdgeの森西淳社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を出発するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を出発するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を出発するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港で横断幕を手にA320neoを見送るピーチの角城健次副社長とAeroEdgeの森西淳社長ら=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を出発するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を離陸するピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

仙台空港を離陸し関西空港へ向かうピーチのA320neo=20年10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

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ピーチ・アビエーション
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