エアバス, エアライン, 機体 — 2019年6月23日 07:00 JST

シンガポール航空のA380、新客室の初改修完了 14機対象

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 エアバスは、シンガポール航空(SIA/SQ)が計画している14機のA380型機の客室改修のうち、最初の改修が完了したとシンガポール時間6月18日に発表した。

シンガポール航空のA380新ビジネスクラス(同社提供)

シンガポール航空のA380=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 シンガポール航空は2017年11月に、A380の新客室仕様を発表。新造機5機と、既存機改修14機が対象で、新造初号機(登録記号9V-SKU)は同年12月に受領した。今回の機体は改修初号機で、新造5機に続いて新仕様の客室となった。

 新仕様は4クラス471席で、スイート6席、ビジネス78席、プレミアムエコノミー44席、エコノミー343席。スイートは従来の12席から6席に半減し、プレミアムエコノミーは36席を44席に増やした。

 これまでメインデッキ(1階席)前方にあったスイートを、アッパーデッキ(2階席)へ移設。メインデッキはプレミアムエコノミーとエコノミー、アッパーデッキにスイートとビジネスを配した。全クラスに電源コンセントと充電用USB端子を備える。

シンガポール航空のA380新スイート(エアバス提供)

 スイートは個室タイプで横2席の1-1配列。座席に加えて独立したフルフラットベッドを備える。個人用モニターは32インチ、座席幅は21インチ(53.34センチ)で回転式、ベッドは76×27インチのものを採用した。

 デザインはフランスのピエールジャン・デザイン・スタジオが手がけ、ゾディアック・シート・UK(現サフラン)が製造する。座席にはイタリアの家具メーカー、ポルトローナ・フラウ製の皮を採用した。

シンガポール航空のA380新ビジネスクラス(同社提供)

 ビジネスクラスは横4席の1-2-1配列で、全席通路アクセスが可能。個人用モニターは18インチ、シートピッチは50インチ、座席幅は25インチで、78×34インチのフルフラットベッドにもなる。

 デザインは英国のJPAデザインが手掛け、ジャムコ(7408)が製造。スイート同様、ポルトローナ・フラウ製の皮を用いる。

シンガポール航空のA380新プレミアムエコノミークラス(同社提供)

 プレミアムエコノミークラスは横8席の2-4-2配列。個人用モニターは13.3インチ、シートピッチは38インチ、座席幅は19.5インチ。デザインはJPAデザインで、独ZIMが製造する。

シンガポール航空のA380新エコノミークラス(エアバス提供)

 エコノミークラスは横10席の3-4-3配列。個人用モニターは11.1インチ、シートピッチは32インチ、座席幅は18.5インチで、デザインと製造は独レカロが担当している。

 今回の客室全面改修は、SIAエンジニアリング・カンパニー(SIAEC)とエアバス・サービスが実施。エアバス・サービスが改修手順を示す「サービスブリテン(SB)」の作成と客室部品の納入を担当した。また、エアバスがA380の設計に関する知識や技術的な知識を提供した。

 残り13機の客室改修は、SIAエンジニアリング・カンパニー(SIAEC)とヘビー・メンテナンス・シンガポール・サービシーズ(SIAEC とエアバスのジョイントベンチャー)が実施する。

 シンガポール航空は、2007年10月に世界で初めてA380の商業運航を開始。現在は19機を運航している。

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シンガポール航空
Airbus
エアバス・ジャパン

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