エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2019年3月13日 12:27 JST

737 MAX、欧州で飛行停止 EASAが指示

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 3月10日に2件目の墜落事故が起きたボーイング737 MAXに対し、EASA(欧州航空安全局)は現地時間12日、欧州での同型機の飛行を一時停止する措置を取った。安全が確認されるまでの一時的なものとしている。

EASAが欧州での飛行停止措置をとった737 MAX=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 10日に墜落したのは、エチオピア航空(ETH/ET)のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、登録記号ET-AVJ)で、乗客乗員157人全員が死亡。2018年10月29日に起きたインドネシアのLCC大手、ライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)に続き、2件目の墜落事故となった。

 EASAはすべての737 MAX 8と737 MAX 9に対し、機体の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を12日に発行。正確な原因が調査中である中での暫定措置として、UTC(協定世界時)で12日午後7時(日本時間13日午前4時)から商業運航を禁じた。フェリーフライト(回航)については、最大3フライトサイクルまでに限り認める。

 737 MAXに対しては、FAA(米国連邦航空局)が設計変更を指示するADを、4月までに発行する見通し。ボーイングが737 MAXで新たに採用した操縦特性を向上させる新システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System」の機能強化などを指示するもので、ボーイングはこれに合わせてマニュアルなどを改訂する。

関連リンク
Federal Aviation Administration
Boeing
ボーイング・ジャパン
Ethiopian Airlines
Ethiopian Airlines(Twitter)

ET302便事故
737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止(19年3月15日)
FAAも737 MAX飛行停止命令 エチオピア機墜落で(19年3月14日)
FAA、737 MAXの改修指示へ 新制御システムに異常か(19年3月12日)
墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収(19年3月11日)
エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便(19年3月10日)

JT610便事故
ライオンエアの737MAX墜落、迎角センサーに異常か FAAがAD発行(18年11月8日)
ライオンエアの737 MAX墜落 インドネシアLCC大手(18年10月29日)
エチオピア航空、737 MAX初受領(18年7月4日)

日系企業の発注
ANA、737 MAX 8日本初導入へ 最大30機(19年1月29日)
日系リース会社JIA、737 MAXを10機確定発注(17年8月26日)

737 MAX 8初飛行
初代737から半世紀経た新型機 写真特集・737 MAX、シアトルで初飛行(16年2月2日)