エアライン, ボーイング, 機体 — 2026年4月30日 18:23 JST

ANA 787-9新個室ビジネス、夏以降導入 737-8は9月以降

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 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の芝田浩二社長は4月30日、新シートを導入するボーイング787-9型機の国際線新仕様機について、今夏以降に投入する計画を示した。新ビジネスクラスシート「THE Room FX(ザ・ルームFX)」を搭載する。また、国内線用の737-8(737 MAX 8)は9月以降に導入する。

パリ航空ショーで初公開されたANAの新個室ビジネスクラス「THE Room FX」=25年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 THE Room FXは、2019年8月に就航した777-300ERの新仕様機「THE Room」の快適性を継承しつつ、787の機体幅に最適化したもので、ANAが中型機向けのビジネスクラスを刷新するのは約10年ぶり。座席数は3クラス206席(ビジネス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー137席)で、既存機と比べてエコノミークラス1列9席分の減少にとどめた。昨年2025年6月17日に開かれたパリ航空ショーでお披露目され、今年3月には都内で本邦初公開した。

 新シートの名称「FX」は「Future Experience」の略で、シート、ソファ、ベッドの3スタイルを選べる構造を採用。背もたれはあらかじめリクライニングされた形状で、ソファのような自由な姿勢で過ごすことができる。レッグレストを水平にすると、ベッドとして過ごせる。

 個人用モニターは24インチのHDモニターを採用。ワイヤレス充電や電源コンセント、充電用USB端子はType-Aに加えて最新のType-Cにも対応した。Bluetoothによるオーディオ接続も可能で、小物入れは2カ所用意した。このうち、ワイヤレス充電はANAでは初採用となった。

 個室のドアや座席間のパーティションは、777向けと比べて薄型化しつつ、背もたれに曲線を持たせたデザインと、777向けと同じ前後交互の配列で、大型機並みの空間を実現した。リクライニング機能をなくしたことで、可動部分が必要とするスペースが減少し、乗客が実際に過ごす1席あたりの空間を広く取ることができた。

ANAの787-9向け新個室ビジネスクラス「THE Room FX」=26年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-9向けプレミアムエコノミーの新シート=26年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

従来と同じ最大34インチのシートピッチを維持したANAの787-9向けエコノミークラスの新シート=26年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、プレミアムエコノミーとエコノミークラスは、独レカロ・エアクラフト・シーティング製の最新シートを、日本の航空会社では初採用。新シートを搭載する787-9は、新造機が3機、改修機が16機の計19機となる。

 737 MAXは、国内線で運航する2008年就航の737-800の後継機。大別して4機種ある737 MAXのうち、標準型の737-8を確定発注20機、オプション10機の最大30機導入する契約だったが、2025年6月のパリ航空ショーでオプション分もすべて確定発注に切り替え、全30機となった。

 一方、ボーイングの開発が遅れている次世代大型機777-9(777X)は、2027年の受領を見込む。ボーイングの納入開始が2027年前半とみられることから、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)など最初に受領する航空会社向けのスケジュールが出るまでは、ANAの受領時期は明確にならない状況だ。

 4月30日に発表した2026年3月期通期連結決算(日本基準)は、売上高が前期(2025年3月期)比12.3%増の2兆5392億3300万円だった。営業利益は10.6%増の2174億3700万円、経常利益は9.8%増の2196億5100万円、純利益は10.5%増の1690億7500万円で、売上高、営業利益、純利益はいずれも過去最高を更新した。

 2027年3月期の通期予想は、売上高が9.1%増の2兆7700億円、営業利益が31.0%減の1500億円、経常利益が37.6%減の1370億円、純利益が43.2%減の960億円を見込む。中東情勢による燃油費高騰などを織り込んだもので、売上高は過去最高を計画している。

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