エアライン, 解説・コラム — 2026年6月12日 18:00 JST

ANA、最安「シンプル」搭乗可否に影響せず 座席不足時は運賃問わず協力募集

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 全日本空輸(ANA/NH)は6月12日、国内線サービスのリニューアル後、利用者から不満や不安の声が出ている新運賃「シンプル」やオーバーセール(オーバーブッキング)時の扱いについて、当紙の取材に対し、シンプル運賃を理由に搭乗の可否で不利益が生じることはないと説明した。予約客数が飛行機の座席数を上回った場合は、運賃に関係なく便変更に協力できる利用者を募るとしている。

国内線サービスのリニューアルで利用者から疑問や不満が寄せられているANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
「お詫び」後も残る利用者の疑問
Q1:「座席は確保される」とオーバーセールの関係
Q2:新運賃「シンプル」と搭乗可否
Q3:オンラインチェックイン未完了時の扱い
Q4:補償・協力金
Q5:国内線予約システム移行の完了時期

「お詫び」後も残る利用者の疑問

 ANAは11日、国内線サービスのリニューアルに伴い、利用者に不便や心配をかけているとして、ウェブサイトに「お詫び」を掲載した。プレスリリースや適時開示ではなく、会社からの「お知らせ」という位置づけで、ANAのウェブサイトやANAアプリでの予約・購入・照会・チェックインなどの動作に時間を要していることや、問い合わせ窓口の混雑、搭乗時に空港カウンターでの手続きが必要になる場合があることなどを説明した。

ANAが6月11日にウェブサイトに掲載したお詫び(更新後のもの)

 お詫び文からリンクされていたFAQ(よくある質問)では、オンラインチェックインができない場合や、座席不足時に協力金などを提示して便変更に応じる利用者を募る「フレックストラベラー制度」などについて説明が掲載されていた。

 一方、X(旧Twitter)を中心とするSNSでは、新運賃「シンプル」だと搭乗可否で不利になるのか、オーバーセール時に安い運賃から搭乗できなくなるのか、システム不具合でオンラインチェックインが完了できなかった場合にどう扱われるのか、といった点を不安視する声が相次ぎ、ANAの説明では搭乗時の扱いが分かりにくいとの不満も出ていた。

 当紙は、利用者の関心が高いとみられる5項目について、ANAに書面で確認した。質問したのは「予約時点で座席は確保される」とする説明とオーバーセールの関係、新運賃「シンプル」と搭乗可否の関係、オンラインチェックインが完了できなかった場合の扱い、補償・協力金、国内線予約システム移行の完了時期となる。

Q1:「座席は確保される」とオーバーセールの関係

 ANAのFAQでは、すべての運賃で予約時点で座席は確保されるとしている。一方で、予約客数が座席数を上回るオーバーセールが発生した場合、この説明がどのような状態を指すのかが、特に航空会社をあまり利用しない人には分かりにくい面がある。

 当紙が確認したところ、ANAは「お客様が当該便に搭乗いただくためのお席をご提供する準備があり、ご承諾なく搭乗をお断りすることはないという状態」と回答した。

Q2:新運賃「シンプル」と搭乗可否

 ANAは5月19日、国内線サービスのリニューアルに合わせ、新運賃「シンプル」「スタンダード」「フレックス」を導入した。このうち「シンプル」は最も安い運賃で、事前座席指定は出発24時間前からとなる。リニューアル後のシステムトラブルと重なったことで、SNSでは「シンプル」利用者が満席時やオーバーセール時に不利に扱われるのではないか、と不安視する声が出ている。

 シンプル運賃と搭乗可否について、ANAは「運賃単体で搭乗可否判断をすることはありません。よって、シンプル運賃を理由に不利益が生じることはございません」と説明。予約を持つ利用者数が飛行機の座席数を上回り、席が不足した場合は、フレックストラベラー制度を活用し、便変更に協力できる利用者を運賃に関係なく募るとしており、原則として利用者の自主的な申し出に基づき、協力してもらうという。

Q3:オンラインチェックイン未完了時の扱い

 オンラインチェックイン未完了時の扱いについては、「搭乗手続き済み」とはオンラインチェックインなどによる「チェックイン済み」の状態を指すと回答した。

 システム不具合の影響でチェックインの手続きが完了できなかった場合は、システム不具合の状況や便の状況を踏まえて対応するという。

Q4:補償・協力金

 補償・協力金については、まずフレックストラベラー制度で便変更に協力できる利用者を募り、協力した利用者に協力金を支払う。こうした対応を行った上でも、便の変更を依頼する必要がある場合は、会社の定める搭乗優先順位に基づき、利用者に協力を求めることがあるといい、承諾した利用者には協力金を支払うとしている。

 協力金は原則として、振替便または代替交通手段の出発が当日中の場合は1万円、1万マイル、1万SKYコインのいずれか。翌日以降になる場合は2万円、2万マイル、2万SKYコインのいずれかとなる。

Q5:国内線予約システム移行の完了時期

 国内線予約システムの移行作業は、国内空港への展開を5月19日から順次始め、6月10日にすべての国内空港の展開・移行を完了したと回答した。一方、ウェブサイトの当該箇所は更新されておらず、12日午後5時40分時点でもシステム移行期間は「2026年6月9日(予定)まで」と表記されている。

 このシステム移行完了は、国内空港への展開・移行の完了時期に対する回答であり、現在発生している不具合などの解消時期を示したものではない。

  ◇ ◇ ◇

 ANAによると、リニューアル後は問い合わせが急増し、メールの返信に2週間から最大2カ月程度かかる場合がある。また、ANA便とエア・ドゥ(ADO/HD)、ソラシドエア(SNJ/6J)、スターフライヤー(SFJ/7G)、アイベックスエアラインズ(IBX/FW)、オリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)の提携航空会社便を含む旅程では、オンラインチェックインができない場合があるなど、利用者への影響が続いている。

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