日英伊3カ国が「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」として共同開発する次期戦闘機の最新モックアップが、ロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーに展示された。前回2024年のモックアップ展示は屋内だったが、今回は前脚と主脚がある状態で屋外展示され、大型ディスプレイを備えるコックピットも作られていた。

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
奇数年開催のパリ航空ショーに次ぐ規模のファンボロー航空ショーは偶数年に開かれる。前回は実物大のモックアップが会場内に展示されたがコックピットなど細かい部分の作り込みはない状態だった。今回はコックピットに射出座席や大型ディスプレイ、操縦桿などがレイアウトされ、次世代機らしさがみられた。
日本はこれまで、先進技術実証機X-2をはじめ、三菱重工業(7011)などが次期戦闘機に関連する開発を進めてきた。1995年に初飛行し、2000年から配備が始まったF-2戦闘機が、2035年ごろから順次退役するためだ。
英国とイタリアは、英独伊西の欧州4カ国が共同開発した戦闘機「ユーロファイター」の後継機として、2035年の就役を目指す次世代戦闘機「テンペスト」として開発を進め、2022年12月に日英伊3カ国がGCAPとして次期戦闘機を共同開発していくことになった。
ファンボロー航空ショーに合わせ、カナダがGCAPに初のオブザーバー国として加わることも発表された。英国防省によると、カナダは意思決定には加わらないが、能力開発や産業協力、長期的な実行計画などを直接把握する機会を得るという。

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大型ディスプレイがレイアウトされたファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
3カ国政府の機関「GCAPエージェンシー(GCAP Agency)」が、機体設計・開発を担う3カ国の合弁会社「エッジウィング(Edgewing)」に発注する形で開発が進む。エッジウィングは、英BAEシステムズ、伊レオナルド、日本航空機産業振興(JAIEC)の3者が共同で設立したジョイントベンチャー(JV)で、設計責任を担う。また、GCAPを監督する政府間組織「GIGO(GCAP International Government Organisation)」と連携し、開発を進める。
エッジウィングのほか、センサーや通信分野を担うコンソーシアム「GCAP Electronics Evolution(G2E)」と、動力・推進系の国際共同組織も、開発を支える。G2Eには英レオナルドUK、伊レオナルド、伊ELTグループ、三菱電機(6503)が参画し、ミッションアビオニクス「ISANKE & ICS(統合センサー・非運動効果および通信システム)」を担う。動力・推進系には英ロールス・ロイス、伊アヴィオエアロ、IHI(7013)が参画し、機体の推進力と機内システム向け電力を供給する。
ファンボロー航空ショーでは、カナダが初のオブザーバー三菱重工が「SEPs(Sovereign Effects Partners:ソブリン・エフェクツ・パートナーズ)」の一員として、MBDA UK(ロンドン)、MBDA Italia(ローマ)、三菱電機の日英伊3社と、誘導弾や巡航ミサイルなどの装備品「エフェクター」を次期戦闘機に統合するための技術検討を進める契約を結んだ。
ロールス・ロイス、アヴィオエアロ、IHIによるエンジン関連のコンソーシアムは、英レディングに、3社による共同開発拠点「コラボレーションハブ」を開設。GCAPエージェンシーやエッジウィングと連携し、エンジン実証機の地上試験に向けて開発を進めている。

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

大型ディスプレイがレイアウトされたファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップのコックピット部分=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーの会場に展示されたGCAPの次期戦闘機モックアップ=26年7月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
Edgewing
BAE Systems
Leonardo
三菱重工業
Team Tempest(Royal Air Force)
ファンボロー航空ショー2026
・日英伊GCAP、次期戦闘機モックアップ展示 ファンボロー航空ショー開幕(26年7月20日)
・三菱重工、次期戦闘機の装備品I/F統合で日英伊4社協業=GCAP(26年7月24日)
進捗
・日英伊GCAP、次期戦闘機の設計加速 46億ポンドでエッジウィングと契約(26年7月6日)
・次期戦闘機エンジン、日英伊3社が国際共同開発の体制強化=GCAP(25年9月10日)
・次期戦闘機、電子装備開発で日英伊4社連合「G2E」発足 センサーや通信=GCAP(25年9月11日)
有人実証機
・英BAE、次期戦闘機の有人実証機デザイン公開 28年初飛行へ(25年7月17日)
エッジウィング設立
・日英伊、次期戦闘機開発で合弁会社「エッジウィング」設立 2035年就役へ(25年6月21日)
ファンボロー航空ショーで新モック
・日の丸入りも披露 日英伊の次期戦闘機、ファンボローで新モックアップお披露目「2025年は非常に重要な節目」(24年7月28日)
共同開発発表
・次期戦闘機、日英伊3カ国共同開発 F-2後継35年配備へ、米とは無人機開発(22年12月9日)
・IHI、次期戦闘機のエンジン参画 日英伊が共同開発(22年12月10日)
