ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の深田康裕新社長は4月8日、米国東海岸路線について「極力早く飛ばしたい」と述べ、早期就航に意欲を示した。2027年度以降導入するボーイング787-9型機を活用して運航体制が整い次第、成田空港を拠点とする長距離路線の拡大を図る。

ZIPAIRの深田康裕社長(中央)と客室乗務員=26年4月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ZIPAIRは、日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCC(低コスト航空会社)。ZIPAIRが運航している787-8よりも全長が約6.1メートル長い機材で、JALは現在22機運航している。このうち、10機程度をZIPAIR仕様の客室に改修する。
東海岸進出の鍵として、深田社長は787-9導入を「1つのポイント」と説明。航空機の受領が進まないと難しい面があるとしつつ、「利用者から『ニューヨークとか、ZIPAIRが飛んでくれたらいいのに』というコメントが上がるたびに早く実現したい」と、2027年度以降の早い時期に就航を目指す考えを示した。

ZIPAIRの787-8=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ZIPAIRは、機材稼働率を高める運航を重視している。深田社長は、1機が往復24時間以内で戻る路線が最も効率が高いとした上で、これを超える長距離路線では北米路線だけでなく、組み合わせるアジア路線も含めた「コンビネーション」が重要になると説明。「一定の機数がないとうまく回しきれない」と述べ、東海岸だけでなく、ペアとなるアジア路線も合わせて伸ばしていくという。
国内のLCCが運航する最長路線の成田-ヒューストン線は、2025年3月4日に就航。往復24時間超の定期便運航に踏み込み、今年2月にはフロリダ州オーランドへのチャーター便も運航した。こうした足の長い路線で運航経験を重ねており、東海岸進出に向けた布石と位置付けられる。
787-9導入で、フルフラット席「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」の拡充も見込む。現在は18席だが、長距離線では販売と同時にほぼ完売する状況が続いており、2030年代初頭までに事業規模を現在の2倍に当たる20機規模へ広げる計画を進めている。
一方、燃油高への対応では、「燃油サーチャージを導入する予定は全くない」と従来の方針を維持する。原油高が続く際の対応としては「運賃が一部今までに比べると上昇する形でご負担をお願いすることは十分ある」と説明。北米路線は予約が好調で、減便や運休は現時点で考えていないとした。
また、2026年内をめどに、成田-クアラルンプール線を開設する。現在の機材は787-8が8機で2026年度に新造機2機を受領し、10機体制を構築する。
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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ZIPAIR 787-8 JA822J機内公開 フルフラットシートも
写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
(1)フルフラット上級席ZIP Full-Flatは長時間も快適
(2)個人用モニターなし、タブレット置きと電源完備のレカロ製普通席
(3)LCC初のウォシュレット付きトイレ
