全日本空輸(ANA/NH)は8月5日、国際線の全クラスで動画ストリーミングに対応した機内Wi-Fiサービスの無料提供を同日付で始めたと発表した。ボーイング767-300ER型機に米Viasat(ビアサット)のシステムを導入し、YouTubeなどの動画配信サービスに対応する。

国際線でも機内Wi-Fiサービスを拡充し動画ストリーミングに対応したANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
767-300ER(2クラス202席)にViasat製の新システムを導入した。当面は1機(登録記号JA625A)で始め、今年度内に3機、2026年度内に全6機の改修を終える見通し。改修後は、全クラスで無料の動画ストリーミング対応Wi-Fiを提供する。
このほか、2026年度以降に受領する国際線新造機にも導入。対象は787-9が19機、ボーイングが開発中の次世代大型機777-9が18機で、767と合わせ43機で機内Wi-Fiサービスを無料提供する。また767以外の既存機も最新システムに順次改修し、2030年末までに8割以上の国際線機材で、全クラス無料・高速インターネット環境を実現する。
国内線には6月13日から導入済み。ウェブサイト閲覧やメール送受信などに加えて、動画ストリーミングサービスが利用可能になった。国内線・国際線とも、ストリーミング対象には、YouTubeなど無料でも視聴可能なサービスに加え、Amazon PrimeやNetflix、Huluをはじめとする有料のものも含まれる。これらの有料サービスを使用する際は、利用者自身が契約したアカウントで視聴することを前提にしている。
ANAは、2024年8月にビジネスクラスでWi-Fi無料化を開始し、同年10月にはプレミアムエコノミーとエコノミークラスでテキスト通信を無料化するなど、段階的にサービスを拡充してきた。
航空会社の機内Wi-FIサービスは、回線強化による通信速度の向上が重点課題になっている。日本航空(JAL/JL、9201)は、2024年10月1日からWi-Fi対応機器による機内インターネット接続サービスを拡充。国際線は全クラスを対象に無料提供し、国内線は動画のストリーミング再生にも対応した。
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