MRJ, 機体 — 2014年11月20日 08:35 JST

MRJ100X、仕様固め進む 川井社長「インドネシア魅力ある」

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 三菱航空機の川井昭陽社長は11月19日、国産初のジェット旅客機「MRJ」のうち、設計を始めた短胴型MRJ70(76席)について、順調に進んでいると説明した。また、100席クラスで計画している長胴型MRJ100Xについては「仕様を固めている状況」と述べた。

MRJの進捗を説明する三菱航空機の川井社長=11月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 都内で開かれたアジアの航空会社16社が加盟するAAPA(Association of Asia Pacific Airlines)のプレゼンテーションで、明らかにした。

 10月18日にロールアウト(完成披露)したのは88席仕様の標準型MRJ90。MRJ70やMRJ100Xは、MRJ90をベースに開発する。

 これまでにMRJは、375機(確定191機、オプション160機、購入権24機)を受注。ローンチカスタマーとなる全日本空輸(ANA/NH)から25機(確定15機、オプション10機)、米トランス・ステーツ・ホールディングスから100機(確定50機、オプション50機)、米スカイウェストから200機(確定100機、オプション100機)、ミャンマーのエア・マンダレイ(LMT/6T)から10機(確定6機、購入権4機)、米イースタン航空から40機(確定20機、購入権20機)を受注している。また、日本航空(JAL/JL、9201)と32機の確定発注について基本合意しており、これを加えると407機となる。

 MRJの初飛行は2015年4-6月期、型式証明の取得は2017年上期を予定。ANAへの初号機引き渡しは、2017年4-6月期となる見通し。

 飛行試験機の製造状況は、2号機が主翼と垂直尾翼の取り付けが完了、3号機は塗装を施した段階で、主翼などの取り付けは未着手。4号機の胴体は工場に到着し、今後組み立てられる。また、全機静強度試験機はすでに試験を開始している。今後、飛行試験初号機と2号機では、アビオニクスや操縦系統、降着装置、エンジンなどを試験するほか、地上振動試験や電磁干渉試験、安全性確認試験、地上走行試験などを実施する。

 川井社長はアジア市場の一例として、島々が広く点在するインドネシアについて言及。「魅力的なマーケット。島々の移動手段は飛行機か船に限られている。MRJのようなクラスの機体には適している」との認識を示した。

ロールアウト式典で披露されるMRJの飛行試験初号機=10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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