エアライン, 空港 — 2018年4月10日 09:44 JST

関西エアポート、3空港一体運営開始で式典 山谷社長「民間の知恵結集」

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 4月から神戸空港が民営化され、関西3空港の一体運営が始まったことを記念し、空港運営会社の関西エアポートは9日、レセプションを神戸で開いた。自治体や国会議員をはじめとする地元関係者や、航空各社の関係者ら約1000人が出席した。

関西3空港一体運営を記念したレセプションで乾杯する関西エアポートの山谷社長ら=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションであいさつする関西エアポートの山谷社長=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 神戸空港を運営する関西エアポート神戸は、神戸空港を運営する特別目的会社(SPC)で、関空と伊丹を運営している関西エアポートが100%出資。社長は関西エアポートの山谷佳之社長、副社長はエマヌエル・ムノント副社長で、関西エアポートの株式は、オリックスとヴァンシが40%ずつ、関西を拠点とする企業・金融機関30社が残り20%を保有している。

 神戸の民営化により、関空と伊丹を合わせた関西3空港を、関西エアポートグループが一体運営することになった。

 関西エアポートの山谷社長は、「それぞれの空港の特徴を理解し、どのように運営すれば効果的な運営ができるか、民間の知恵を結集したい。熱意を持って3空港一体運営に取り組む」と抱負を述べた。

関西3空港一体運営を記念したレセプションで祝辞を述べる与党関空議連の二階会長=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ムノント副社長は、「今年度は3空港合わせて5000万人の利用者数を目標に掲げており、世界上位30位に入る。一体運営は時間をかけて創り上げるものだ」と語った。

 与党関西空港議員連盟会長の二階俊博・自民党幹事長(衆院、和歌山3区)は、「関西が東京、日本のお荷物になるのではなく、関西が日本の経済を引っ張っていく。今そういう状況になっているので、関空を中心に自信を持って、大きく躍進することを誓い合おう」と祝辞を述べた。

 神戸の民営化は、市に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で実施。空港用地と施設は、市が継続して所有する。民営化後は、滑走路の運営と維持・管理の航空系事業と、ターミナルビル運営と維持・管理の非航空系事業を、関西エアポート神戸が担う。事業期間は2060年3月31日までの42年間で、合意した場合は最長で10年延長し、2070年3月31日までの52年間運営できる。

 2022年度までの旅客数は、2018年度が313万人、2019年度が321万人(18年度比2.6%増)、2020年度が323万人(同3.2%増)、2021年度が325万人(同3.8%増)、2022年度が327万人(同4.5%増)を見込む。

レセプションの前に神戸空港で開かれた関西3空港一体運営の記念セレモニーでテープカットする関西エアポートの山谷社長ら=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

レセプション会場入口に設けられた神戸に就航するスカイマークのブース=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

レセプション会場入口に設けられた神戸に就航するANAとソラシドエア、エア・ドゥのブース=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションで鏡開きの前に歓談する与党関空議連の二階会長 (左から3人目)と神戸市の久本市長(右)=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションで鏡開きの前に歓談する与党関空議連の二階会長
(左から3人目)と神戸市の久本市長(右)=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションで鏡開きをする関西エアポートの山谷社長(右)ら=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションで鏡開きをする関西エアポートの山谷社長(右)ら=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西3空港一体運営を記念したレセプションで乾杯する関西エアポートの山谷社長ら=18年4月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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